小児歯科学雑誌
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中国人小児歯科疾患実態調査
齲蝕活動性について
武井 勉大嶋 隆中田 稔神山 紀久男小野 博志長坂 信夫小椋 正鄧 輝石 四箴劉 大維Stephen H. Y. Wei斉藤 徹石川 雅章天野 秀昭信家 弘士野中 和明大谷 裕子塩野 幸一清水 久喜王 歓張 野重 建輝胡 徳渝Joseph C. Y. ChanLily S. M. Tong祖父江 鎭雄
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1992 年 30 巻 4 号 p. 707

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抄録

中国北京市(3歳児60人,5歳児62人),四川省楽山市(3歳児62人,6歳児63人)および上水道へのフッ化物添加が実施されている香港(3歳児65人,6歳児77人)の小児を対象に3種の齲蝕活動性試験(ミューカウント,ラテックス凝集試験,カリオスタット)を行い,齲蝕の現症との相関性を調べた。<1人平均齲歯数は3歳児,5~6歳児ともに北京で最も多く,楽山,香港の順で少なかった。各地域におけるミューカウントおよびラテックス凝集試験によるミュータンス・レンサ球菌の検出率はともに各地域の1人平均齲歯数と相関した。一方,カリオスタットの判定値は地域間に大きな差異を認めなかった。つぎに,上水道の非フッ素化地域(北京,楽山)とフッ素化地域(香港)における被験児のミューカウントおよびラテックス凝集試験の判定値と齲歯数との相関性を検討した。非フッ素化地域ではミューカウントおよびラテックス凝集試験の判定値と齲歯数との間に有意の相関を認めた。しかし, フッ素化地域では両試験とも6歳児においては齲歯数との間に有意の相関を認めたものの,3歳児では有意の相関を認めなかった。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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