1992 年 30 巻 5 号 p. 989-1010
歯科疾患と咀嚼機能との関連を検討するため, ゼラチンで調製した3 種類の咀嚼ゼリーを使用し, 北京, 楽山および香港に在住する中国人小児に対して, 自由に咀嚼させ嚥下するまでの咀嚼時間と咀嚼回数を記録し,咀嚼機能を評価した。
1.無齲蝕児と重症齲蝕児の間に大きな差は認められなかった。
2.嗜好性によって咀嚼機能は大きな影響を受けなかった。
3.正常咬合児と不正咬合児の咀嚼機能に著名な差は見出せなかった。
4. 調査した3 地区の中で, 楽山の幼児は北京と香港に比較して咀嚼能力が高いことが示唆された。