抄録
米国のSouthern Research Technologiesで作製されたIFRDを入手し,in vitroでIFRDのF徐放能を90日間測定したところ,90日目でも徐放量は減少せず,安定したFの徐放を示すことが明らかになった.In vitroで30日間IFRDを作用したヒトエナメル質へのF取り込み量は対照群と比べ増加した.さらに,同面の耐酸性について検討したところ,30日間IFRDを作用したヒトエナメル質の耐酸性は対照群と比べ有意に高くなっていた.また,30日間IFRDを作用した後,脱灰時にもIFRDを作用したヒトエナメル質の耐酸性はさらに高くなっていた.以上のことから,IFRDは,エナメル質に強い脱灰抑制能を付与させることが明らかになった.