小児歯科学雑誌
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CRインレーの臨床的研究
雲井 秀樹大森 郁朗
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1993 年 31 巻 3 号 p. 389-395

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抄録

コンポジットレジンインレー(CRインレー,クラレ社製)を用いて,幼若小臼歯50歯の隣接面齲蝕を修復し,18ヵ月にわたって臨床的に観察した.インレー体,修復歯の歯質および修復歯の歯髄ならびに周囲歯肉の状態の3つの項目について評価を行った.その結果,以下に示すような結果が得られた.
1.全50症例中,すべての診査項目について「良好」と判定した症例は24例であった.他の26例には何らかの不良な所見がみられたが,疼痛症状のためにインレーを除去した1例を除いては臨床的に許容できるものであった.
2.不良所見の中で,最も多かったのは損耗の17例で,次いで着色の10例であった.なお,損耗と着色が重複してみられた症例が5例あった.
3.色調の適合度については,不調和と判定した症例はなかったが,「良好」と判定した症例には「良く調和している」と評価した19例と「良く調和しているとは言えないが,臨床的に許容できる」と判定した30例が含まれていた.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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