小児歯科学雑誌
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日本人の乳歯歯冠並びに乳歯列弓の大きさ,乳歯列咬合状態に関する調査研究
日本小児歯科学会
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1993 年 31 巻 3 号 p. 375-388

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抄録
日本人の乳歯歯冠並びに歯列弓の大きさ,乳歯列の咬合状態についての基準値,頻度分布を調査することを目的に全国歯科大学小児歯科学講座の協力を得て収集された2歳6か月より5歳11か月までの乳歯列正常咬合児,男児83名,女児75名,計158名の上下顎歯列模型を資料に計測,観察した結果以下の結論を得た.
1.すべての各歯の乳歯歯冠近遠心幅径の平均値を得た.上顎第二乳臼歯を除くすべての歯種で有意に女児より男児が大きかった.
2.2歳代を除く3歳0か月以上5歳0か月未満と,5歳0か月以上5歳11か月以下の2群について,男女別に乳歯列弓の幅径,長径,高径に関する臨床的基準値と標準偏差図表を得た.
3.各歯間空隙量を測定した.空隙発現状態別頻度は,霊長空隙と発育空隙がともに有する歯列が,上顎は91.8%,下顎は70.9%であった.
4.ターミナルプレーンの型別出現頻度は,垂直型が85.4%,遠心段階型が8.6%,近心段階型が6.0%であった.
5.乳犬歯咬合関係は,I型は83.2%,II型は13.0%,III型は3.8%であった.
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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