小児歯科学雑誌
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乳歯切削エナメル質に対するレジンの接着性第6報 ボンディング材に対する光照射時間の影響
細矢 由美子高風 亜由美冨永 礼子一瀬 暢宏後藤 讓治
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1993 年 31 巻 4 号 p. 597-605

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抄録

ボンディング材に対する光照射時間が乳歯エナメル質に対するレジンの接着性に及ぼす影響について観察した.
ボンディング材とコンポジットレジンは,クラレ社製Photo Bond®とPhoto ClearfilA®(シェード:US)を使用した.エッチングは,40%正燐酸ゼリーで30秒間行った.光照射は,ボンディング材に対して10,20及び30秒間行い,コンポジットレジン材に対して40秒間行った.サーマルサイクリング試験の有無別に剪断接着強さを測定した.剪断接着試験後のエナメル質面とレジン面をSEMで観察した.
1)非サーマルサイクリング群における剪断接着強さは,ボンディング材に対する光照射時間が10秒の場合が20秒並びに30秒の場合より有意に高かった.
2)サーマルサイクリング群における剪断接着強さは,ボンディング材に対する光照射時間が10秒の場合は,20秒の場合より有意に高かったが,10秒と30秒間には有意差はみられなかった.
3)ボンディング材に対する光照射時間が同じ場合で,非サーマルサイクリング群とサーマルサイクリング群間の剪断接着強さに有意差がみられたのは,光照射時間が30秒の場合のみであり,サーマルサイクリング群が高かった.
4)剪断接着強さは,必ずしもボンディング材に対する光照射時間の延長に伴い増加するものではなかった.

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