小児歯科学雑誌
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31 巻 , 4 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 細矢 由美子, 高風 亜由美, 冨永 礼子, 一瀬 暢宏, 後藤 讓治
    1993 年 31 巻 4 号 p. 597-605
    発行日: 1993/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    ボンディング材に対する光照射時間が乳歯エナメル質に対するレジンの接着性に及ぼす影響について観察した.
    ボンディング材とコンポジットレジンは,クラレ社製Photo Bond®とPhoto ClearfilA®(シェード:US)を使用した.エッチングは,40%正燐酸ゼリーで30秒間行った.光照射は,ボンディング材に対して10,20及び30秒間行い,コンポジットレジン材に対して40秒間行った.サーマルサイクリング試験の有無別に剪断接着強さを測定した.剪断接着試験後のエナメル質面とレジン面をSEMで観察した.
    1)非サーマルサイクリング群における剪断接着強さは,ボンディング材に対する光照射時間が10秒の場合が20秒並びに30秒の場合より有意に高かった.
    2)サーマルサイクリング群における剪断接着強さは,ボンディング材に対する光照射時間が10秒の場合は,20秒の場合より有意に高かったが,10秒と30秒間には有意差はみられなかった.
    3)ボンディング材に対する光照射時間が同じ場合で,非サーマルサイクリング群とサーマルサイクリング群間の剪断接着強さに有意差がみられたのは,光照射時間が30秒の場合のみであり,サーマルサイクリング群が高かった.
    4)剪断接着強さは,必ずしもボンディング材に対する光照射時間の延長に伴い増加するものではなかった.
  • 天野 秀昭, 信家 弘士, 長坂 信夫, 神山 紀久男, 小野 博志, 祖父江 鎭雄, 中田 稔, 小椋 正, Hui Deng, 石 四箴 ...
    1993 年 31 巻 4 号 p. 606-640
    発行日: 1993/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    日本および中国共同の調査団として,1990年に中国人小児の食生活に関するアンケート調査を北京市,四川省楽山市および香港において行い,総計1,051名の回答を得た.
    1.北京市および楽山市では3歳群および6歳群の昼の養育は幼稚園等で行う集団保育の傾向が強く,特に北京市では食事を家以外で食べるものが80%以上であった.
    2.よく噛んで食べると答えたものは各地域ともに3歳群および6歳群で約70%以上であったが,楽山市では飲み込むまでに噛む回数が少ないものが多い傾向がみられた.
    3.歯を磨かないものは,各地域ともに3歳群では60%,6歳群で約40%から50%と多かった.
    4.摂取食品は香港でのみ結果が得られた.主食は白飯,麺類および食パンが多く,肉類,卵・乳・豆,野菜および果物は多種のものが食されていた.
    5.おやつの回数は北京市および楽山市では0回と1回のものが多く,おやつの時間は楽山市ではほとんど決められていなかった.
    6.おやつの内容は,楽山市および北京市のおやつはあまいものが多かった.
    7.飲物は北京市でオレンジジュース,コーラ等の市販飲料が低年齢児でも飲まれており,中国の都市部での傾向と思われた.
    以上,各地域それぞれの食生活環境が認められたが,各地域ともに口腔衛生環境はあまり良好ではなく,食生活の変化に対応した口腔衛生教育の必要性が認識された.
  • 天野 秀昭, 信家 弘士, 長坂 信夫, 神山 紀久男, 小野 博志, 祖父江 鎭雄, 中田 稔, 小椋 正, Hui Dent, 石 四箴 ...
    1993 年 31 巻 4 号 p. 641-656
    発行日: 1993/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    日本および中国共同の調査団として,1990年に中国人小児の歯科疾患と歯科的特質に関する実態調査を行い,全身的健康状態,頭部および顔貌所見,また口腔内所見として口腔清掃状態,口腔軟組織所見,歯周組織および歯牙硬組織の状態について検討した.
    対象は中華人民共和国の都市部(北京市),農村部(四川省楽山市)および香港に在住する中国人小児1,281名であり,対象年齢群は3歳,6歳,12歳および15歳の4群とした.
    1.全身的状態では身長および体重に地域差が認められ,楽山において低い値であった.
    2.頭部および顔貌所見では特に顎関節症が北京で12歳群50.0%,15歳群20.0%と多く認められた.
    3.口腔内所見としては,口腔内清掃状態は比較的良好なものが多かったが,歯肉炎は低年齢児においても多くみられ,香港では3歳群で29.0%,6歳群で30.1%のものにみられた.また歯石の沈着は下顎中切歯において12歳群および15歳群で各地域ともに多くみられた.
    4.歯牙硬組織ではフッ素化地域である香港において班状歯の発現頻度が高く,3歳群で10.1%,6歳群で37.3%,12歳群で27.7%,15歳群で43.2%であり,齲蝕調査とともに更なる調査検討が必要であると思われた.
  • 尾本 和彦
    1993 年 31 巻 4 号 p. 657-668
    発行日: 1993/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    咀嚼・嚥下に関与する筋活動の発達的特徴を明らかにするために,1名の健常男児の咬反射誘発時,吸啜時,固形食摂取時における咀嚼関連筋の筋電図記録を出生直後より36か月まで縦断的に行ったところ次のような結論が得られた.
    咬反射誘発時に咬筋や側頭筋などの閉口筋には一定のリズムで放電が認められたが,舌骨上筋群などの開口筋には放電は認められなかった.しかもこの時下顎は閉鎖されたままの状態であった.また咬反射や吸啜反射が明瞭に認められる4か月頃までは,側頭筋Cycleが測定日によって変動が著しかったが,5か月以降原始反射が消失するにつれて咬反射や吸啜のCycleは安定するようになった.咀嚼が閉始した8か月頃から乳歯列の完成した36か月までの間,咀嚼時の側頭筋Cycleはほとんど変化しなかった.さらに咀嚼時の側頭筋Cycle(621±89msec)は吸啜時の側頭筋Cycle(463±38msec)よりも統計学的に有意に大きかったが,咬反射時の側頭筋Cycle(622±44msec)との間には有意差が認められず,従って咀嚼リズムと咬反射リズムとの間に何らかの関連性があることが示唆された.
  • 木村 光孝, 葛立 宏, 西田 郁子, 牧 憲司, 福島 直樹, 高江洲 旭, 尾崎 章寿, 村田 真知子, 中島 龍市
    1993 年 31 巻 4 号 p. 669-678
    発行日: 1993/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    ヒトの離乳期に相当する生後3週齢のWistar系雄ラットを用いて,高タンパク食摂取による成長期下顎頭の骨構築に及ぼす影響について,電子顕微鏡学的に検索し,以下のような結果を得た.
    1.骨芽細胞は,対照群と比べ,扁平化した休止期様の細胞が散見され,細胞内小器官の発達は悪く,類骨層を介して石灰化面と接していた.
    2.骨細胞,破骨細胞に関しては,対照群と比べ,変化は認められなかった.
    以上のことより,高タンパク食摂取により骨構築に関与する骨芽細胞の活性化が低下していた
  • 山賀 まり子, 小出 武
    1993 年 31 巻 4 号 p. 679-686
    発行日: 1993/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    タンニン・フッ化物合剤(HY剤)の歯質の無機成分に対する作用をHY剤中の各フッ化物単独での作用と比較検討するために,各フッ化物の飽和溶液を作製して合成ハイドロキシアパタイトに1日および10日間作用させ,取り込みF量,耐酸性および生成物を調べた.その結果,ZnF2溶液を作用させた試料が最もFの取り込み量が多く,耐酸性も最も優れていた.HY剤を10日間作用させた試料の耐酸性獲得率はSrF2溶液およびF濃度をほぼ同じにしたNaF溶液を作用させた試料と差がなかった.したがって,HY剤の成分であるZnF2の耐酸性向上に及ぼす効果が高く,無機成分の耐酸性を向上させる効果はF濃度をほぼ同じにしたNaF溶液と同等の効果があることが明らかとなった.
  • 青葉 達夫, 千葉 秀樹, 神山 紀久男
    1993 年 31 巻 4 号 p. 687-695
    発行日: 1993/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    交換期の下顎前歯に叢生を来たした患者に対し,下顎乳犬歯を抜去してその解消を試みることがあるが,乳犬歯の抜去については,その後の下顎永久切歯の舌側への傾斜,側方歯交換のための場所の喪失などの理由で批判も多い.
    そこで当該乳犬歯抜去後,直ちに舌側弧線保隙装置を装着し叢生の解消を計った症例,抜歯あるいは脱落したあと全く保隙処置を行わなかった症例,当該乳犬歯の隣接面のディスキングを行い叢生の解消を計った症例などの,その後に起きた歯列の変化について検索するとともに,保隙処置の有効性についても検討を行い,次の結果を得た.保隙した群では永久切歯の舌側傾斜は防止できたが,歯列弓周長は減少を来たした.
    保隙を行わない群では乳犬歯の喪失により下顎永久切歯の舌側傾斜,第一乳臼歯の近心捻転および舌側傾斜に起因する歯列の狭窄が認められた.ディスキングを行った群では乳犬歯間幅径の増加に伴い第一,第二乳臼歯の側方拡大と歯列弓周長の増加が認められた.
  • 原田 桂子
    1993 年 31 巻 4 号 p. 696-725
    発行日: 1993/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    3歳から5歳の小児の歯科診療協力度を初診時に予測判定し,診療時の歯科医師の小児への対応法の選択を適切にするため,「幼児歯科診療協力性検査」を確立する目的で本研究を行い,以下の結論を得た.
    1.91項目(分析方法上の理由から以後アイテムという)から成る観察,検査ならびに調査を100人の小児とその母親に実施し,この中から小児の歯科診療時の適応性と高い相関性を有する36アイテムを抽出した.この36アイテムより成る適応・不適応判別モデルの判別的中率を,91アイテムの研究対象者100人および新たな初診小児67人について検討した結果,前者では90.0%,後者では85.1%であった.この結果から,本研究で抽出した36アイテムより成る「幼児歯科診療協力性検査」は,臨床的にきわめて有用であると考える.
    2.受付から診療台上での診療開始までの小児の行動や情緒をよく観察することが,診療協力度を予測する上で重要である.
    3.初診時に,受診動機や歯科診療,歯科医師に対する小児の気持ちを,小児自身の言葉で述べさせることは,診療協力度を予測する上できわめて有用である.
    4.歯科受診歴の有無,受診歴がある場合その時治療ができたか,否かを調査すること,および母親のY-G性格検査のI尺度を検査することは,小児の歯科診療協力度を予測する上で有用な判断資料となる.
  • 渡部 茂, 上田 正彦, 西 貴宏, 五十嵐 清治, 市田 篤郎, 岡田 喜篤
    1993 年 31 巻 4 号 p. 726-731
    発行日: 1993/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    適切な栄養管理の第一歩は,患者の栄養状態を客観的に判断することにあり,その方法として栄養不良の質,程度,期間などを正確に評価する栄養評価法が必要である.今回我々は,重症心身障害児(者)に対する栄養評価をより的確に行うための基礎としてRTP(PA,RBP,TF)及びCH50の測定を行い以下の結果を得た.
    1.RBPはコントロール群より1回目,2回目とも有意に(p<0.05)低い値を示した.
    2.CH50は1回目,2回目ともコントロール群より著しく低い値を示した(p<0.001).
    3.運動機能が著しく制約されている群(寝たきり,座れる,歩行が障害されている)のPA,RBPは,そうでない群より有意(p<0.02,p<0.05)に低い値を示した.
    4.これらの結果はRTPは短期間の蛋白質や栄養の変化に大変鋭敏であり,重障児(者)の潜在性の栄養不良や食事療法の指針を得るために有用であることを示唆していると思われた.
  • 今村 均, 西田 郁子, 牧 憲司, 森本 彰子, 古谷 充朗, 上田 秀朗, 坂本 淑子, 曽我 富美雄, 内上 堀征人, 木村 光孝
    1993 年 31 巻 4 号 p. 732-742
    発行日: 1993/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    著者らは小児における歯牙の測色にビデオディジタイザーとコンピュータを応用することを考えた.しかし,本機材はコンピュータグラフィック用に開発されたもので測色値は保証されない.今回の実験では機材の特性を調査し設定方法について検討した.
    1)機材の電源投入後30分以上経過して測定値が安定した.
    2)HPV2コマンドではカラーレベルが3,γ 補正値が4のとき10YR7/3の基準信号を良好に測定した.これは,HV-HP-S013012コマンドに相当した.
    3)ビデオカメラの設定を次のようにすると良好な結果が得られた.
    (1)シャッタースピード:1/60S
    (2)絞り:F3.4以上またはオート設定
    (3)ゲイン:+6dB
    (4)ホワイトバランス
    まずカメラを横壁に向ける.次にホワイトレンズキャップを付けピントを最大にぼかす.ワンプッシュホワイトバランスボタンを押す.
    4)無彩色を取り込んだ測色値の特性は非直線的で理論値と一致しなかった.
    5)計測値を理論値に近づける数学的補正の基本式にK×M1/3+A(K,Aは定数)を用いると良好な補正値が得られた.
  • 西田 郁子, 牧 憲司, 森本 彰子, 橋本 敏昭, 今村 隆子, 児玉 昭資, 赤嶺 秀紀, 名越 恭子, 木村 光孝
    1993 年 31 巻 4 号 p. 743-752
    発行日: 1993/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    今回,著者らはC2を有する乳前歯30本,幼若永久前歯25本の隣接面窩洞に対し,GRAFT LC IIを用いて修復し,臨床的に経過を観察し,以下のような結果を得た.
    1.1年経過して辺縁適合性が不良なものは,乳前歯では2例(3.3%),幼若永久前歯では5例(10.0%)であった.
    2.1年経過して形態的変化の認められないものは乳歯では28例(93.3%),幼若永久歯では22例(88.0%)であった.
    3.修復物の着色・変色はほとんどみられず,着色・変色のみられたものは乳歯,幼若永久歯ともに2例であった.
    4.辺縁部の変色は,まったく認められないものが乳歯では27例(90.0%),幼若永久歯では24例(96.0%)であった.
    5.二次齲蝕は,乳歯,幼若永久歯ともに修復後3か月より1例みられ,幼若永久歯では1年目にさらに1例認められた.
    6.修復時の歯髄反応は認められないものがほとんどで,乳歯において1例(3.3%)歯髄処置を必要とした.
    7.1年経過後のリコール時の歯髄反応において何ら異常の認められなかったのは,乳歯では26例(86.7%),幼若永久歯では23例(92.0%)であった.
    8.以上の結果を考えあわせ,GRAFT LC IIは小児歯科の日常の臨床における乳歯および幼若永久歯の修復において有効であることが示唆された.
  • 津田 孝子, 小林 雅之, 下岡 正八
    1993 年 31 巻 4 号 p. 753-778
    発行日: 1993/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    小児患者が,診療室で歯科医師をどのように見ているのか知るため,術者の正立顔写真をテスト画像に用い,ビジコンアイカメラを使用し,小児の眼球運動を測定した.そして,小児の顔の見方を分析したところ,顔の内から外,顔の内のみ,顔の外から内,顔の外のみ,の4つに分類することができた.これを,輪郭を含む顔全体を図,背景を地とした図一地反応として,高木・坂本幼児児童性格診断検査,母親に関する要因,養育環境に関する要因などの心理的・環境的要因と,小児の顔の見方とに関連性があるかを予測する目的で,多変量解析の数量化II類および因子分析を行い,以下の結論を得た.
    1.被験者の97%は,初回停留点までの視線が図反応を示し,瞬時に顔全体を見ていることがわかった.
    2.被験者の3%は,地反応を起こした.
    3.小児自身の心理的・性格的要因は,小児の顔の見方に少ないが影響を与えることがわかった.
    4.母親の要因を含む環境的要因は,小児の顔の見方に影響を与えることがわかった.
    5.相関比の最も大きい相関軸でdグループ:背景(外のみ)が,次いでbグループ:顔の内部(内のみ)が,そしてaグループ:顔から背景へ(内→ 外)とcグループ:背景から顔の内部へ(外→ 内)が判別された.
    6.各要因間では,YG性格診断検査のA型とD型,高木・坂本幼児児童性格診断検査の社会的安定性および個人的安定性と,その他の因子の間に相関のあることがわかった.
  • 周 瑞瑛, 長谷川 信乃, 鵜飼 紀久代, 加藤 敬, 松下 繁, 笹井 浩司, 田村 康夫
    1993 年 31 巻 4 号 p. 779-786
    発行日: 1993/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    若年者の顎機能異常について検討する目的で,岐阜県下の幼稚園1校,小学校3校,中学校1校の計1,893名(男子952名,女子941名)を対象に顎関節症の発生頻度について疫学的調査を行った.顎関節症の診断基準は顎関節雑音,顎関節疼痛,開口障害の症状を単独あるいは複合して有するものを顎関節症と診断し,以下の結論を得た.
    1.顎関節症の発生は全体で275名(14.5%)で,幼稚園児で13名(8.2%),小学生低学年で57名(9.4%),小学生高学年で115名(20.2%),中学生で90名(16.0%)に認められた.
    2.学年群間で検討すると幼稚園・小学生高学年間,小学生低学年.小学生高学年間,小学生低学年・中学生間で有意差が認められ,増齢的に増加する傾向が認められた.しかし各群とも性差は認められなかった.
    3.症状別に検討すると,顎関節雑音が81.1%と最も高い出現を示し,次いで顎関節疼痛で23.6%に認められ,開口障害は認められなかった.
    4.顎関節雑音は全体で223名(11.8%)に認められ,幼稚園児では13名(8.2%),小学生低学年で46名(7.6%),高学年で74名(13.0%),中学生で90名(16.0%)に認められた.幼稚園・中学生間,小学生低学年.高学年間,小学生低学年・中学生間で有意な増加を示していた.しかし各群では性差は認められなかった.
    5.疼痛は幼稚園児および中学生には認められず,小学生低学年で17名(2.8%),高学年で48名(8.5%)に認められた.
  • 楽木 正実, 張 美華, 新谷 誠康, 大西 智之, 祖父江 鎭雄
    1993 年 31 巻 4 号 p. 787-792
    発行日: 1993/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    萌出途上の幼若永久歯の小窩裂溝填塞用セメントとして応用するために,グラスアイオノマーセメントにリン酸四カルシウム(4CP)を配合したセメントを試作し,理工学的性質を検討した.グラスアイオノマーセメントはFuji Ionomer Type IIIを用いた.4CPの配合量は0,2,5,10%とした.4CPを10%まで配合しても圧縮強度の低下は認められなかった.しかし硬化時間,崩壊率,エナメル質への接着強さを考慮すると4CPの配合量は5%までが適当と考えられた.4CPを5%配合したセメント(5%4CP)の硬化時間,圧縮強度,崩壊率,24時間後のエメナメル質への接着強さは,それぞれ4分,112.3MPa,0.36%,2.3MPaであった.また,5%4CPからのカルシウムとリンの溶出量はFuji Ionomer Type IIIに比べて浸漬3または4日後まで約1.5から2.5倍に増加したが,その後は有意差を認めなかった.一方,5%4CPからのフッ素の溶出量はFujiIonomer Type IIIに比べて全期間にわたり約90から50%に減少した.
  • 柳瀬 博, 田中 泰司, 福田 理, 黒須 一夫
    1993 年 31 巻 4 号 p. 793-797
    発行日: 1993/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    歯科処置前後の小児の尿中カテコールアミンを侵襲の小さい薬物塗布ならびに予防填塞時と侵襲の大きい浸潤麻酔下の歯の切削時について測定し,歯科処置内容の相違と小児の尿中カテコールアミンとの関連性について3-11歳の健康な小児25名を対象に以下の結果を得た.
    1)歯科処置前値においてカテコールアミン総量およびドーパミン,ノルアドレナリン,アドレナリンの3指標とも予防群と治療群間に有意差は認められなかった.
    2)歯科処置後値において予防群ではカテコールアミン総量およびドーパミン,ノルアドレナリン,アドレナリンの3指標とも歯科処置前値に比べ,著明な変化は認められなかった.
    3)処置後値において治療群ではカテコールアミン総量およびドーパミン,ノルアドレナリン,アドレナリンの3指標とも歯科処置前値に比べ,増加傾向が認められ,特にアドレナリンでは歯科処置前後で有意差が認められた.
    4)予防群と治療群との変化率の比較においてドーパミン,ノルアドレナリン,アドレナリンの3指標とも予防群に比べ,治療群のほうが高い変化率を示し,特にアドレナリンにおいては有意差が認められた.
  • 野中 和明, 立川 義博, 佐々木 康成, 柳田 憲一, 山崎 要一, 松本 敏秀, 池本 清海, 中田 稔
    1993 年 31 巻 4 号 p. 798-805
    発行日: 1993/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    Rett症候群は,女児だけにあらわれる,自閉症に似た症状や精神発達の遅れをもたらす疾患である.近年,歩行障害,言語障害などに加えて両手をもみ合わせるような独特の動作を伴っていることより,自閉症や脳性麻痺と区別されるようになってきた.しかしながら歯学領域からの報告が少ないことから,歯や顎顔面頭蓋の形態的特徴については,十分には明らかにされていない.
    今回,我々が遭遇した初診時14歳の女児では,以下のような興味深い所見が認められた.
    1)低身長・低体重.
    2)脊柱側彎.
    3)骨年齢の亢進.
    4)小さい歯冠近遠心幅径.
    5)小さい下顎骨.
    6)上下顎前歯の唇側傾斜.
    7)重度の精神発達遅滞.
  • 峰岸 康子, 金田一 純子, 立澤 宰
    1993 年 31 巻 4 号 p. 806-811
    発行日: 1993/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    大理石骨病(Osteopetrosis)は,全身性びまん性の骨硬化症で,まれなる疾患である.早発性悪性型と遅発性良性型の2つの病型に分けられる.今回われわれは,3歳0ヵ月時に大理石骨病と診断された患者の口腔管理を行っているので報告する.1)初診時(4歳10ヵ月)に〓のみ萌出しており,パノラマエックス線写真で〓及び〓の歯胚が見られた.2)現在までに,_〓以外の歯の萌出はない.3)_〓と〓の歯胚の発育は見られないが,〓及び10歳11ヵ月から認められるようになった〓の歯胚は歯冠部の石灰化_が進んでいる.また,いずれも歯根形成は停滞し,〓歯胚は不明である.4)5歳10ヵ月時に,上下顎に義歯を装着して咬合の回復をはかり,現在まで経過している.
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