小児歯科学雑誌
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歯科診療が小児の尿中カテコールアミン変動に及ぼす影響
第2報 歯科処置内容による相違
柳瀬 博田中 泰司福田 理黒須 一夫
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1993 年 31 巻 4 号 p. 793-797

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抄録
歯科処置前後の小児の尿中カテコールアミンを侵襲の小さい薬物塗布ならびに予防填塞時と侵襲の大きい浸潤麻酔下の歯の切削時について測定し,歯科処置内容の相違と小児の尿中カテコールアミンとの関連性について3-11歳の健康な小児25名を対象に以下の結果を得た.
1)歯科処置前値においてカテコールアミン総量およびドーパミン,ノルアドレナリン,アドレナリンの3指標とも予防群と治療群間に有意差は認められなかった.
2)歯科処置後値において予防群ではカテコールアミン総量およびドーパミン,ノルアドレナリン,アドレナリンの3指標とも歯科処置前値に比べ,著明な変化は認められなかった.
3)処置後値において治療群ではカテコールアミン総量およびドーパミン,ノルアドレナリン,アドレナリンの3指標とも歯科処置前値に比べ,増加傾向が認められ,特にアドレナリンでは歯科処置前後で有意差が認められた.
4)予防群と治療群との変化率の比較においてドーパミン,ノルアドレナリン,アドレナリンの3指標とも予防群に比べ,治療群のほうが高い変化率を示し,特にアドレナリンにおいては有意差が認められた.
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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