抄録
著者らは,8歳8ヵ月および7歳5ヵ月の女児において下顎第2乳臼歯が埋伏した2症例を経験した.
2症例ともX線所見によるとEは正常な歯軸のまま顎骨内に埋伏し,症例2では後継永久歯は埋伏乳臼歯の遠心に認められたが,既往歴,家族歴および全身所見に特記事項は認められず,Eの埋伏は局所的原因によるものと思われた.
処置としては,2症例とも埋伏下顎第2乳臼歯の抜歯,5の開窓術を施行し,症例1では床拡大装置,sectional arch,cross elasticを使用,症例2ではブラケットを装着し,パワーチェーンによって咬合誘導を行った.