小児歯科学雑誌
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母親正立顔写真に対する小児患者の視知覚分析
眼球運動の優位性と心理的環境的要因との解析
岡 賢鈴木 広幸下岡 正八
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キーワード: 眼球運動, 母親の顔, 既知性
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1994 年 32 巻 3 号 p. 529-551

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抄録
既知性の最も強い,親しい身近な母親の顔写真に対する小児の見方と見やすい場所を調べる目的で,まず母親の顔写真1枚の画像を提示して,自由視させたときの眼球運動と,その後,先に提示した母親の顔写真に他の女性の顔写真2枚を加えた3枚の顔写真を縦に並べた画像を提示し,母親の顔写真を探させたときの小児の眼球運動を測定した.
また,小児が母親を探すときの眼球運動と母親の要因,養育環境の要因,高木・坂本幼児児童性格診断検査との関連性を検討する目的で多変量解析を行い,以下の結論を得た.
1.被験者の母親の顔写真1枚を提示したとき,母親の顔写真に第1停留点が現れるまでの平均所要時間は492.8msecであった.
2.再認までの平均所要時間は,中段に母親の顔写真を置いたものが最も短かった.
3.視線走査の方向性は,まず中段に移動するものが最も多く,次いで上段へ移動するもの,下段へ移動するものの順であった.
4.視線が走査されにくい下段の顔写真に第1停留点があったのは,上段に母親の顔写真を置いた被験者で0%,中段で5%であったが,下段では35%であった.
5.再認までの所要時間に対しては,特に母親の要因,高木・坂本幼児児童性格診断検査の影響が大きかった.
6.第1停留点の部位については,母親の要因,養育環境の要因,高木・坂本幼児児童性格診断検査ともに影響があった.
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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