小児歯科学雑誌
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光重合型コンポジットレジンの経時的変色に関する研究(第5報)光照射時間による影響についての3年間に亘る観察
細矢 由美子後藤 讓治
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1994 年 32 巻 5 号 p. 1003-1014

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抄録

光重合型コンポジットレジンの経時的変色に及ぼす光照射時間の影響について,3年間に亘る観察を行った.
直径10mm,厚さ1mmのレジンディスクをSilux Plus(3M社)を用い,厚さ1mmのガラス板を介して20秒(20秒群),40秒(40秒群)及び120秒間(120秒群)光照射して作製した.レジン色は,U,Y,DY,L,G,UO,YOの7色を用いた.試料を37℃ の人工唾液中に浸漬し,硬化直後と以後6か月ごとに3年後までの色調を高速分光光度計を用いて測色した.測色は,背景色なしの場合と背景色が裏装材を想定して作製した白色板の場合について行った.
1)ΔE*ab値は,背景色なしの場合も背景色が白色板の場合もすべての光照射時間群について,すべてのレジン色が,おおむね経時的増加もしくは経時的増加傾向を示した.
2)背景色なしの場合の3年後のΔE*ab値は,20秒群では,2.82(DY)-4.75(L),40秒群では,3.95(YO)-5.08(L),120秒群では,3.82(YO)-6.06(L)の範囲で変化した.
3)背景色が白色板の場合の3年後のΔE*ab値は,20秒群では,3.88(DY)-5.51(L),40秒群では,5.01(YO)-6.76(L),120秒群では,4.91(YO)-7.04(L)の範囲で変化した.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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