小児歯科学雑誌
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集団給食からみた無機質の評価
草野 幸子内岡 三枝子西田 郁子牧 憲司森本 彰子石井 克旺大里 泰照周 適宏秀島 治木村 光孝
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1994 年 32 巻 5 号 p. 1042-1052

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抄録

小児は成長発育期で健康を維持するために食生活は重要な要因である.そして近年,パンや麺類も主食として摂取されるようになったことに加え,日常食生活における外食産業の占る割合が多くなっている.
今回,エネルギー,タンパク質,カルシウム,鉄,VA,VB1,VB2,VCなどの栄養所要最を充足するように献立をたてた集団給食について,主食の違いによる無機質含量,さらに外食産業との比較を行った.
所要量を充足するように献立をたてた集団給食では所要量とは関係のないリンについてもバラツキが少なく,カルシウムとのバランスもよくP/Caは1.9前後であった.微量元素マンガン,亜鉛,鋼についても外食産業によるものよりもパラツキが少なかった.
主食をパン,米飯,麺にすることによる無機質の含量に大きな違いはなかった.1食中のマグネシウムは麺を主食とするものにパン,米飯を主食とするものより多く含まれていた.Mg/Caも大きかった.100g中についても同様に大きかった.無機質のなかでリン,亜鉛,銅などは集団給食のほうが外食産業より含まれている量が少なく外食産業では動物性食品が多く利用されていると考えられた.
以上のことより,集団給食における無機質含量は主食の違いによる差はほとんどみられなかった.また外食産業と比較すると,集団給食ではバラツキが少なく,無機質のバランスもよく動物性食品に偏ることも少ないと考えられる.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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