小児歯科学雑誌
Online ISSN : 2186-5078
Print ISSN : 0583-1199
ISSN-L : 0583-1199
乳児の発達にともなう吸啜時の口腔周囲筋筋活動の変化
第1報乳房哺育児での横断的検討
松下 繁林 努下郷 惠王 歓田村 康夫
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 33 巻 5 号 p. 1042-1048

詳細
抄録
乳児の吸啜時における口腔周囲筋筋活動が月齢によりどのように変化するか検討する目的で本観察を行った.
被検児は乳房哺育児延べ56名で生後月齢により1か月児(4週~8週以内,9名),2か月児(16名),3か月児(11名),4か月児(11名),5か月児(9名)の5群に分け筋電図学的に検討した.
その結果,
1)側頭筋,咬筋および口輪筋では1か月児から5か月児で筋活動量には,変化がみられなかったのに対し,舌骨上筋群は1か月児から5か月児まで増大する傾向がみられ,1か月児と5か月児間で有意差(p<0.05)が認められた.
2)4筋の総筋活動量は1か月児と3,4,5か月児との間で有意差が認められ(P<0.05),1か月児から3か月児まで増大していた.
3)吸啜リズムは月齢間で差はみられなかった.
以上の結果より,吸啜運動の吸啜リズムには変化がみられないが,口腔周囲筋筋活動は月齢により舌骨上筋群の活動と総筋活動量が増大することが示唆された.
著者関連情報
© 一般社団法人 日本小児歯科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top