小児歯科学雑誌
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リン酸四カルシウムを基材とした根管充填材の理工学的性質
楽木 正実新谷 誠康小村 隆志祖父江 鎭雄
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1995 年 33 巻 5 号 p. 876-881

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抄録
リン酸四カルシウム(4CP)を粉末の基材とし,硬化液にオレイン酸またはユージノールを用いた根管充填材用セメントCPOおよびCPEを試作し,理工学的性質を検討した. 試験項目は,根管充填材のISO規格に準じたフロー,操作時間,硬化時間,被膜厚さ,放射線不透過性,溶解度および崩壊度の6項目およびpHの経時的変化について行った. その結果,6項目すべてについて規格を満たしており,対照に用いた市販の根管充填用酸化亜鉛ユージノールセメント(ZOE)と同様,理工学的には根管充填材として望ましい性質を有していた. 特に溶解度および崩壊度は,これまでに報告された4CPを用いた根管充填材と異なり0.5~0.7と小さかった. 試作根管充填材のpHは,ZOEと同様に練和開始直後は中性付近であったが,時間がたつにつれてアルカリ性を示すようになった.
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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