小児歯科学雑誌
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心身障害児の歯科治療に対するミダゾラム経鼻投与鎮静法の応用に関する研究
第4報 帰宅許可後の不快事項ならびに保護者の不安度について
河合 利方福田 理柳瀬 博子安 玲子木澤 摩美黒須 一夫
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1995 年 33 巻 5 号 p. 953-962

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抄録

ミダゾラム経鼻投与鎮静法下歯科治療を受けた心身障害児39名の保護者を対象に,治療後の帰宅途中から翌朝までの不快事項の発現状況をアンケート調査した.さらに,経界投与鎮静法下の歯科治療に対する保護者の不安度と本法を用いた再度の歯科治療に対する保護者の評価を調査し,以下の結論を得た.
不快事項の発現は,「帰宅途中」に最も多く,発現者率はミダゾラム0.2mg/kg投与で21.1%,0.3mg/kg投与で40.0%であったが,「就寝時」にはほとんど全ての患児が通常と同様の状態に回復していた.不快事項の種類は眠気ふらつきが最も多く発現したが,臨床上問題となる症状の発現は両群とも調査したすべての場面で認められなかった.経鼻投与鎮静法に対する保護者の不安度のアンケート調査では,説明時,鎮静獲得時,治療時で「全く不安なし」「あまり不安なし」と回答した保護者が79.5~84.6%をしめていた.また,経鼻投与鎮静法を用いて「次回も歯科治療を受けても良い」と回答したものは84.6%をしめていた.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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