小児歯科学雑誌
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顎関節症の臨床診断におけるサーモグラフィーの有効性について
-測定方法の妥当性と評価項目の再現性-
重田 浩樹森主 宜延奥 猛志小椋 正
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1996 年 34 巻 1 号 p. 137-147

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抄録

本研究の目的は顎関節症の臨床診断におけるサーモグラフィーの有効性を検討する一連の研究の第一段階として測定方法の妥当性と評価項目の再現性について確認することであった。健康な男女各5名を対象として,日を改めて2回の撮影を行い,その結果,サーモグラフィーの測定方法の妥当性と評価項目の再現性について以下の事柄を得ることができた。
1)本研究の測定方法の妥当性と再現性が確認され,本装置の温度分解能が0.05℃ であることから小数点以下1桁までは信頼できる値であることが示された。
2)安静時の評価方法として皮膚表面温度の左右差が絶対温度と比較し,再現性に優れていることが示された。
3)咀嚼運動負荷による皮膚表面の温度変化の評価方法としてM部の最大温度変化量,最大温度変化量到達時期,左右側の最大温度変化量到達時期の一致性の再現性が認められ有効な評価項目として示唆された。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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