噴射切削装置による窩洞形成は,加圧,振動,騒音,発熱,疹痛等が少なく,小児歯科診療に適した装置と考えられるが,他方噴射切削による窩洞形成は窩洞周囲の健康歯質にも噴射切削の影響が及ぶ欠点が指摘されている。そこで,窩洞周囲の健康歯質保護の目的で,プロテクト・バニッシュを塗布し,噴射切削により窩洞を形成し,SEMによる観察を行った。その結果プロテクト・バニッシュの塗布は,噴射切削時に窩洞周囲の健康歯質の保護に効果を有することが判明した。
1.プロテクト・バニッシュの塗布は,噴射切削時の窩洞周囲の健康歯質の保護に有効であった。
2.プロテクト・バニッシュは,1層塗布より2層ないし3層塗布の方が歯質の保護により有効であった。
3.プロテクト・バニッシュ塗布部も,噴射切削による窩洞形成は可能であった。
4.通常,噴射切削により形成された窩洞の窩縁部は丸味を帯びるが,プロテクト・バニッシュ塗布部の窩縁部はほぼ直角になる所見が得られた。