小児歯科学雑誌
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永久歯歯冠修復処置に関する実態調査
-1984年度と1994年度の比較-
細矢 由美子柏原 陽子冨永 礼子西口 美由季後藤 讓治
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1996 年 34 巻 3 号 p. 570-580

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抄録

1994年度に,長崎大学歯学部小児歯科診療室で永久歯歯冠修復処置を受けた患児284名に対して行われた永久歯歯冠修復処置669例について,応用状況を調査した。1984年度の調査と比較した結果,下記の結論を得た。
1.永久歯に対する歯冠修復応用状況は,1984年度はコンポジットレジン充填の応用頻度(52.4%)が最も高く,次いでアマルガム充填(22.5%),インレー(18.6%),既製金属冠(3.9%)の順であった。一方,1994年度の応用頻度は,コンポジットレジン充填(76.7%),インレー(11.1%),グラスアイオノマーセメント充填(6.7%),既製金属冠(2.8%)の順であった。
2.臼歯部の隣接面を含む窩洞に対する応用頻度は,1984年度はインレー(64.4%)が最も高く,次いでコンポジットレジン充填(21.1%),アンレー(7.9%),アマルガム充填(6.6%)の順であった。一方,1994年度の応用頻度は,コンポジットレジン充填(53.9%),インレー(40.9%),アンレー(2.9%),グラスアイオノマーセメント充填(2.3%)の順であった。
3.1984年度と比較し1994年度では,臼歯部におけるコンポジットレジン充填の応用頻度が特に増加していた。また,1994年度にはアマルガム充填の使用は皆無であり,グラスアイオノマーセメント充填が新たに使用されていた。

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