中学生における歯周疾患をスクリーニングするためにOral Rating Index (ORI:+2~-2)による評価法の有効性を検討した。広島市内の中学生357名を対象に調査を行った。要旨は以下の通りである。
1.ORIはGingival Index(Loe and Silness),Plaque Index(Sileness and Loe),Probing DepthおよびBleeding Indexと0.1%の危険率で負の相関性を認めた。
2.男女別によるORIの評価では,女子の方が男子よりも口腔内状態は良好であった。学年別では,男女共に学年が上がるにしたがってORIが減少し,口腔内状態が不良になる傾向にあった。
3.ORIの評価によって生徒を歯周状況に対応したグループに分類することが可能であり,しかもデータの集計が容易であった。この診査法は,従来の歯周状況を表す指数を用いて診査するよりも所要時間が短くて済み,また,診査後生徒に対して具体的な口腔衛生指導を行う可能性が示唆された。
以上の結果より,中学生における歯周疾患のスクリーニングにはORIの有効性が示唆され,また集団を対象とした調査にも充分応用できうる評価法であった。