小児歯科学雑誌
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歯科におけるストレス反応に関する研究
-成人と小児の鼻部皮膚表面温度変化の相違について-
仲井 雪絵吉田 登志子松村 誠士下野 勉
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1996 年 34 巻 5 号 p. 1107-1112

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抄録
歯科診療に対し小児が示す不安・恐怖などの情動を発達心理学的な観点から検討するために成人と小児の情動反応の相違点を調べる目的で,22~38歳の男子64名女子16名計80名,3~5歳の男児17名女児15名計32名を対象とし研究を行った。本研究では,歯科診療に対する不安・恐怖の生理学的反応の指標として鼻部皮膚表面温度を用い,その反応様式について成人と小児を比較した。
その結果,成人の対象について浸麻針刺入前後5分間ずつの温度変化は温度上昇を示す者と比較して,温度低下を示す者の方が88.4%と高い割合を示した。
一方小児の対象については,成人とは逆に温度上昇を示す者の方が高い割合を示した。すなわち小児と成人のストレス反応としての生理学的反応様式には相違点が見られた。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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