小児歯科学雑誌
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歯科ユニットに対するビジコンアイカメラを用いた視知覚分析
-第1報 術者の眼球運動-
島田 路征城山 博下岡 正八
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1997 年 35 巻 3 号 p. 453-463

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抄録

歯科ユニット(ユニット)をテスト画像化し,ユニットに対する既知性のある術者に提示し,ビジコンアイカメラを用いて,どのようにそれを見るのかを術者の眼球運動を測定し,科学的に分析し以下の結論を得た.
1.初回停留部位,初回停留点までの視線の走査,停留回数,停留時間よりユニットの構造的符号化,そして再認が行われ,歯科ユニットを一体として見ていた.
2.全停留点の分布より,術者は自己の身体を基準としてユニットの大きさを正しく認知している可能性が示唆された.
3.距離の短いサッケードで背景よりもユニットの内部を多く走査し,長いサッケードでユニットと背景を走査していた.
4.ユニットを決まった走査路で走査する者が多かった.
5.術者の下方に向けた視線からは,テーブルの上やチェアー上の小児の顔と身体についての情報も集めやすいことがわかった.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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