小児歯科学雑誌
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捕食時口唇圧の発達変化-離乳開始期から36か月まで-
田村 文誉水上 美樹千木良 あき子向井 美恵
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1997 年 35 巻 4 号 p. 599-604

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抄録
摂食機能においては口唇が重要な役割を担っているにもかかわらず,発達的視点から口唇の機能を客観的にとらえた研究は散見されるのみである。そこで口唇機能の発達する離乳期から乳歯列の完成する3歳までの時期に注目し,同一対象児の経時的な発達変化を知り,口唇機能の発達過程を明らかにする目的で,捕食時口唇圧を経時的に測定した。その結果,以下のような知見を得た。
1)生後月数と口唇圧との関連では,横断的研究による健康乳幼児群の結果と同様に,36か月までに口唇圧が増加する傾向が認められた。
2)離乳開始期から口唇圧がある程度大きい場合には増齢による圧の増加があまりみられず,36か月に近づいてから口唇圧が増加した。
3)口唇捕食不可率は,A児,B児ともに30か月頃に急激な減少を示した。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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