小児歯科学雑誌
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自閉症児者の歯科治療に対する適応状態の変化に関する研究
田邊 義浩石倉 優香野田 忠
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キーワード: 自閉症, 歯科治療, 適応状態
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1997 年 35 巻 4 号 p. 613-624

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抄録
自閉症児者の歯科治療に対する適応状態を検討する目的で,16歳から27歳の自閉症児者17名を対象とし,規格化した内容で歯石除去を行い,その様子をビデオに記録し分析した。処置は約6か月の間隔で2回行い,被験者の適応状態と,その変化について検討し,以下の結論を得た。
1)太田のStage評価は,施設で調査した結果と歯科診療室での結果を比較したところ,一致率は88.2%であった。結果が異なった場合も,評価が1段階低い場合が多く,かけ離れた評価となることはなかった。
2)超音波スケーラーを用いた歯石除去に対する適応状態は,被験者にとって不慣れな環境であるにもかかわらず17名中10名(58.8%)が最後まで処置を受けることができた。5名(29.4%)は処置の途中で診療室から出ていったために中止,全く処置を受けることができなかったのは2名(11.8%)であった。
3)同じ内容の処置を約6か月後に同一条件で行った結果,適応状態が悪くなった被験者は無く,1回目で中断や中止を認めた12名のうち8名(66.7%)に,適応状態の改善を認めた。
4)林式数量化II類を用いて適応状態に関係する要因を分析した結果,被験者の年齢,太田のStage評価,調査時に服用していた薬剤が歯科治療に対する適応に大きく関与していた。これに対して,患者のIQと歯科治療経験は比較的影響が小さかった。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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