小児歯科学雑誌
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日本歯科大学新潟歯学部附属病院小児歯科診療室における抑制治療の実態について
鈴木 広幸城山 博小林 雅之平木 淳一椎名 和郎種市 良厚下岡 正八
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1997 年 35 巻 5 号 p. 907-913

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抄録

日本歯科大学新潟歯学部附属病院小児歯科診療室(本学小児歯科診療室)において,抑制治療を減らし,無くしていくにはどうすればよいか情報を得るため,平成元年から5年までの新規初診患者を対象に,抑制治療の実態を調査し,以下の結論を得た。
1.調査対象となった小児患者は1,478名で,そのうち抑制治療を行ったのは,138名,9.3%であった。
2.抑制治療を行った小児患者の初診時年齢平均は3歳6か月で,抑制治療を行わなかった小児患者の平均4歳9か月と比較して低かった。
3.抑制治療の回数別人数では,1回のみが最も多く56名(40.6%)であった。回数の増加とともに人数は減少する傾向を示した。
4.抑制治療の種類別延べ人数では身体抑制が最も多く89名,以下V.C.とHOMEのみ49名,一部抑制26名の順であった。
以上より,応急処置が必要な場合以外,抑制治療を行わず,やむを得ず抑制治療を行った場合はその後の小児患者への対応に気を配ることを徹底している本学小児歯科診療室でも抑制治療を行う割合は,来院患者の約1割と多く,より抑制治療を減らしていく努力が必要なことがわかった。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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