小児歯科学雑誌
Online ISSN : 2186-5078
Print ISSN : 0583-1199
ISSN-L : 0583-1199
抑制治療を受けた小児患者の心理的要因の分析
鈴木 広幸城山 博小林 雅之平木 淳椎名 和郎種市 良厚下岡 正八
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 35 巻 5 号 p. 914-920

詳細
抄録

日本歯科大学新潟歯学部附属病院小児歯科診療室において抑制治療を受けた小児患者にはどのような性格傾向があるか調べることを目的に,林式数量化理論III類を用いて抑制治療を受けた小児患者を対象に高木.坂本幼児児童性格診断検査結果の類似性を調べ,以下の結論を得た。
1.累積寄与率が60%を越えたところを基準にすると相関軸は3つ求められ,固有値は1軸,2軸,3軸と順に,0.3949,0.1410,0.0997,寄与率は同様に,39.5%,14.1%,10.0%であった。
2.1軸は性格の安定・不安定を意味する相関軸であると解釈された。2軸は,性格の外向性・内向性を意味する相関軸であると解釈された。3軸は環境への対応の仕方を意味する相関軸であると解釈された。
以上より,抑制治療を行った小児患者において自制力なし,依存的,体質的不安定の性格傾向をもつものが多いことがわかった。

著者関連情報
© 一般社団法人 日本小児歯科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top