小児歯科学雑誌
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離乳期ラットの虚弱骨における食餌療法に関するCa,Pの定量分析およびエックス線学的骨塩量
下顎歯槽骨
秦 満張 祖燕牧 憲司森本 彰子村田 真知子葛 立宏木村 光孝
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1998 年 36 巻 1 号 p. 29-35

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抄録
虚弱骨における食餌療法に関するCa,Pの定量分析およびエックス線学的骨塩量を調べるのが本研究の目的である。そこで,離乳期にある生後3週齢のWistar系雄ラットを用い,低カルシウム食およびカルシウム欠乏食を3週間与えて,骨虚弱状態を惹起された後,標準食,混合食Iおよび混合食IIそれぞれに切り換え3週間飼育した。虚弱骨に対する食餌の影響をエックス線マイクロアナライザーによるCa/Pの分析と骨塩量を検索し,次のような結果を得た。
1.実験群(II群)にカルシウム欠乏食群間および低カルシウム食群問にはエックス線マイクロアナライザーによるCa/Pの定量分析と骨塩量の値は,混合食I群>標準食群>混合食II群の順に高値を示した。このことは,カルシウム含有したバランスのとれた混合食I(牛骨粉と標準飼料,1:2混合飼料)が骨虚弱状態の回復では最も良い結果を得た。
2.実験群(II群)と対照群(I群)比較して,実験群においてカルシウム欠乏食群および低カルシウム食群の値は対照群に相当する群より,高値を示した。骨粗鬆症を惹起したラットはカルシウム投与後,骨虚弱状態はそれぞれの改善が認められた。
3.実験群は対照群の標準食群に比べ,全て低値を示した。これから,幼年期のラットは骨虚弱状態に陥るとすべて正常に回復することが困難であることが考えられる。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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