小児歯科学雑誌
Online ISSN : 2186-5078
Print ISSN : 0583-1199
ISSN-L : 0583-1199
幼児期から学童期にわたる齲蝕罹患状態に関する経年的研究
岡崎 好秀東 知宏田中 浩二石黒 延枝大田原 香織久米 美佳宮城 淳壺内 智郎下野 勉
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 36 巻 4 号 p. 677-683

詳細
抄録

655名の小児を対象として,3歳時と小学校1年生時から中学1年生時までの,齲蝕指数の推移について経年的に調査した。
1)3歳時の齲蝕罹患者率は65.6%,1人平均df歯数は3.80歯であった。
2)中学1年生時の齲蝕罹患者率は93.4%,1人平均DF歯数は4.78歯であった。
3)3歳時のdf歯数は,小学校1年生から中学校1年生までのDF歯数と高度の相関が認められた(p<0.001)。
4)3歳時のdf歯数が0歯群と9歯以上群の小学校1年生から中学校1年生までの永久歯齲蝕罹患者率には,有意の差が認められた(p<0.001)。
5)3歳時のdf歯数が多い群ほど,永久歯のDF歯数も高い値を示した(p<0.05)。3歳時の齲蝕は,将来の齲蝕に影響を与えることから,乳幼児期からの齲蝕予防の重要性が示唆された。

著者関連情報
© 一般社団法人 日本小児歯科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top