小児歯科学雑誌
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三次元模型計測システムによる小児の歯列および咬合の診断法に関する研究
海原 康孝天野 秀昭三浦 一生長坂 信夫
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1998 年 36 巻 5 号 p. 839-847

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抄録
小児歯科臨床において,小児の歯列および咬合について把握することは重要である。また,それらは三次元的に診断を行うことが望ましいと思われる。
本研究は視診により正常咬合,前歯部反対咬合および臼歯部交叉咬合,開咬と診断された模型について,著者らが独自に考案した三次元模型計測システムを用いて計測を行い,小児の不正咬合を三次元的に診断する新しい方法の有用性と実用化について検討した結果,以下の結論を得た。
1.咬合のプロフィログラムによる分析により,歯列の咬合状態を多方向から分析することができた。また正常咬合を有する小児の症例と重ね合わせて比較検討することも可能であった。
2.歯列の幅,深さ,および高さに関する情報を,数量化されたデータにより客観的に分析することが可能であった。
以上より,本計測システムは,術者の経験の有無にかかわらず,客観的に高精度で小児の不正咬合の診断が行え,極めて有用かつ実用的であることが示唆された。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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