小児歯科学雑誌
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うつぶせ寝で育てられた小児の歯列・咬合に関する研究
海原 康孝天野 秀昭三浦 一生長坂 信夫石田 房枝
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1998 年 36 巻 5 号 p. 848-860

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抄録
従来日本では,背臥位による育児が一般的であったが,近年はうつぶせ寝で育てられるケースも多くみられ,その様相の解明が望まれている。
我々は,研究用模型の三次元計測により,乳児期にうつぶせ寝で育てられた小児の歯列および咬合について検討した。その結果,うつぶせ寝で育てられた小児の歯列には以下のような傾向が認められた。
1)犬歯および臼歯部の歯列弓幅径が小さい。
2)上顎の歯列弓長径とoverjetが大きい。
3)切端咬頭頂連続曲線は直線的である。
4)歯列弓高径は前歯部,臼歯部ともあおむけ寝で育てられた小児との差は認められない。
5)左右対称的で正中の偏位はなく,いわゆるV字型の歯列弓形態をしている。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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