小児歯科学雑誌
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乳歯列反対咬合の改善前後における歯列咬合の三次元変化に関する研究-下顎歯列の形態ならびに上下歯列の位置関係について-
肥川 員子渡辺 里香早崎 治明山崎 要一丸亀 知美永田 めぐみ中田 稔
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1999 年 37 巻 4 号 p. 716-725

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抄録
九州大学歯学部附属病院小児歯科において治療を行った乳歯列反対咬合の治療前後の上下歯列の変化について検討した。被蓋改善に用いた装置はチンキャップ,アクチベーター,リンガルアーチ,上顎前方牽引装置である。これらの4装置を用いた咬合処置症例について,歯列石膏模型を用い,被蓋改善前後の下顎歯列形態の変化,上下乳歯列によって囲まれる水平面投影面積,および上下歯列の前後的位置関係の変化について比較し,以下の結論を得た。
1.上顎のみに作用する装置群も含めて,全ての群で下顎歯列形態にも明らかな変化が起きていた。
2.歯列で囲まれる水平面投影面積は,上顎では,チンキャップ群,アクチベーター群,リンガルアーチ群で増加傾向を示し,上顎前方牽引装置群で減少傾向を示した。下顎では,全ての群で減少傾向を示した。
3.上下歯列の前後的位置関係の変化では,リンガルアーチ群は,他のどの装置よりも前方部の変化が大きかった。上顎前方牽引装置群は,後方部の変化が他のどの装置よりも大きかった。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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