小児歯科学雑誌
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ヒト歯髄培養細胞におけるStreptococcus mutansによる細胞死の誘導
白數 慎也
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1999 年 37 巻 5 号 p. 953-960

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抄録

Streptococcus mutans は歯の齲窩から多数検出されることなどから本菌が齲蝕の重要な原因菌であると報告されている。そのため齲蝕の進行に伴いS.mutansが歯髄に進入し,歯髄細胞に障害を与える可能性が考えられる。そこで本研究ではS.mutansによる細胞致死活性がヒト歯髄培養細胞において発現されるかを調べ,さらにS.mutansが歯髄細胞においてアポトーシス細胞を誘導するか否かについて検討した。細胞致死活性率は3-[4,5-dimethylthiazol-2yl]-2,5-diphenyltetrazolium bromide(MTT)法,lactate dehydrogenase(LDH)法および5-bromo-2'deoxy-uridine (BrdU)法により測定し,これらの値は有意に上昇した。また,アガロースゲル電気泳動,フローサイトメトリーおよび enzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)法によりDNAの断片化を確認し,アポトーシス誘導を検討した。以上のことから,S.mutans による歯髄細胞の細胞死はアポトーシスによるものであると示唆された。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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