小児歯科学雑誌
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中学生における唾液緩衝能テストと齲蝕罹患状態の関係について
岡崎 好秀東 知宏田中 浩二岡本 安広村上 知宮城 淳井上 哲圭福島 康祐松村 誠士下野 勉
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2000 年 38 巻 3 号 p. 615-621

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抄録
中学生344名を対象として,唾液流出量テストと唾液緩衝能テストを行い齲蝕罹患状態との関係について検討を加えた。
1.対象の齲蝕罹患者率は91.0%,一人平均DF歯数は5.02歯であった。また第2大臼歯の齲蝕罹患者率は58.2%,第2大臼歯の一人平均DF歯数は1.24歯であった。
2.唾液流出量は,中流出量群が最も多く47.1%(162名),次いで低流出量群の27.6%(95名),高流出量群の25.3%(87名)であった。
3.唾液緩衝能は,高緩衝能群の58.1%(200名)が最も多く,次いで中緩衝能群の26.5%(91名),低緩衝能群の15.4%(53名)の順であった。
4.唾液流出量は,齲蝕罹患状態との間に関係は認められなかった。
5.唾液緩衝能は,齲蝕罹患状態と高度の相関関係が認められた(p<0.01)。
6.唾液緩衝能テストの結果を群分けし,一人平均DF歯数および第2大臼歯の一人平均DF歯数との関係をみたところ,各群には有意な差が認められた(p<0.001)。以上より唾液緩衝能テストは,齲蝕活動性試験としての有用性が示唆された。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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