小児歯科学雑誌
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1歳6か月時と3歳時の齲蝕活動性と6歳時の齲蝕罹患状態について
岡崎 好秀東 知宏田中 浩二岡本 安広宮城 淳井上 哲圭松村 誠士下野 勉
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2000 年 38 巻 3 号 p. 622-628

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抄録

齲蝕のない1歳6か月児557名を対象に,1歳6か月時のカリオスタット値(CAT値)と3歳,6歳時の齲蝕罹患状態との関係について調査した。さらに3歳時のカリオスタット値を組み合わせ,6歳時の齲蝕罹患状態との関係についても検討した。
1.3歳時における齲蝕罹患者率は53.0%,一人平均df歯数は2.75歯であり,6歳時ではそれぞれ85.8%,6.63歯であった。
2.1歳6か月時のCAT値は,3歳時の齲蝕罹患者率およびdf歯数と高度の相関関係が認められた(p<0.001)。
3.1歳6か月時のCAT値を低リスク群(1.0以下),中リスク群(1.5),高リスク群(2.0以上)に群分けしたところ,各群の3歳時の齲蝕罹患者率およびdf歯数に有意な差が認められた(p<0.01)。
4.1歳6か月時のCAT値は,6歳時のdf歯数と高度の相関関係が認められた(p<0.001)。
5.1歳6か月と3歳時のCAT値を組み合わせ群分けしたところ,1歳6か月に比べ3歳時のCAT値が高くなると,6歳時の齲蝕罹患者率およびdf歯数が高くなった。一方3歳時のCAT値が低くなると,6歳時の齲蝕罹患者率およびdf歯数が低下した。以上より,カリオスタット®検査結果を組み合わせることで,齲蝕増加の予測性が向上した。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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