抄録
当院で実施している出産直後の母親の口腔内検診で得られた資料および2歳児歯科健診における資料から,産婦の口腔内状態および母親の口腔内状態が子供に及ぼす影響について検討を行い,以下の結果を得た.
1.産婦の口腔内状態について
1)一人平均DMF歯数は12.9本であり,齲蝕経験者率は99.0%であった.2)一人平均未処置齲歯数は1.5本であり,未処置歯保有率は49.3%であった.3)カリオスタット値によるHigh Risk(2.0以上)者の割合は67.0%であった.4)プラークの付着,歯石の付着,歯肉の腫脹および歯肉の出血を認めた産婦は,それぞれ74.6%,73.1%,78.7%そして64.8%であった.
2.母親の口腔内状態が子供の口腔内に及ぼす影響について
1)母親に未処置歯を保有する子供は,保有しない子供と比較し2歳時に齲蝕を有する者の割合が有意に高かった(p<0.05).母親のその他の口腔内状態を示す所見と2歳時における齲蝕の有無との間には関係が認められなかった.2)母親に未処置歯を保有する子供は保有しない子供と比較しカリオスタット値が有意に高かった(p<0.05).母親のその他の口腔内状態を示す所見と2歳時におけるカリオスタット結果値との間には関係が認められなかった.3)母親の未処置歯の保有の有無と2歳時での子供の生活習慣との関係はどの項目とも有意差は認められなかった.