小児歯科学雑誌
Online ISSN : 2186-5078
Print ISSN : 0583-1199
ISSN-L : 0583-1199
経管栄養法の口腔内環境への影響
隅田 百登子池原 美香柿沼 さおり桜井 史子高山 葵杉山 久荻原 和彦
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 39 巻 3 号 p. 496-502

詳細
抄録
都内某重症心身障害児施設における過去19年間の歯科診療の実態を調査したところ,特定の病棟において齲蝕有病者率が低い傾向を示していた.そこで今回その病棟における入所児35人(男児19人,女児16人)を栄養摂取法の違いにより経管栄養群25人(男児14人,女児11人),経口栄養群10人(男児5人,女児5人)の2群に分け,口腔内清掃状態,齲蝕経験およびカリエスリスクに及ぼす影響について検討し,次の結果を得た.
1.Dentocult SM-Strip mutans®のための唾液採取法について,歯ブラシを用いる簡易法は有効であった.
2.経管栄養群と経口栄養群を比較すると,OHI-S,CI-Sは経管栄養群のほうが有意に高く,DI-Sは両群間に差が認められなかった.
3.一人当たりdf歯数,DMF歯数は両群とも非常に低く,有意差は認められなかった.
4.ミュータンスレベルは経口栄養群のほうが有意に高かったが,ほとんどローリスクグループに属していた.
5.経管栄養を開始した年齢で3歳未満群と3歳以上群に分け,ミュータンスレベルを比較すると,有意差は認められなったが,3歳未満群のほうがレベルの分布が低いほうへ偏位する傾向にあった.
著者関連情報
© 一般社団法人 日本小児歯科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top