小児歯科学雑誌
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超・極低出生体重児における吸啜機能の発達
松原 まなみ田村 康夫
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2001 年 39 巻 4 号 p. 820-829

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抄録

超・極低出生体重児として出生した乳児の咀嚼機能の発達状態を知る基礎的研究として,携帯用吸啜圧測定システムを開発し,正常児との比較・検討を行った.
低出生体重児においては,陰圧相時間,吸啜サイクル時間が短く,吸啜圧も小さかったことから,低出生体重児は一回に吸引できる量が少なく嚥下に要する時間が短縮すること,測定内変動が大きく吸啜リズムが不安定なことなどから吸啜効率が悪いことが判明した.修正齢で比較しても低出生体重児の吸啜圧は満期産児に比して小さく,咀嚼機能の発達に影響する可能性が示唆された.
本研究で開発した携帯用吸啜波計は1回の吸啜で乳児の吸啜機能を診査できる有効な方法であることが確認された.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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