抄録
超・極低出生体重児に対して咬合力,咀嚼機能および乳犬歯間幅径についての検討を行い,さらに成長による咀嚼機能の変化についても検討した。
その結果,超・極低出生体重児は満期正常出生児と比較して咬合接触面積,咬合力および乳犬歯間幅径は有意に小さい値を示した。また咀嚼筋筋活動量については超・極低出生体重児が有意に大きい値を示した。さらに超・極低出生体重児は成長するにつれて咬合接触面積および咬合力は大きくなっていたが,咀嚼筋筋活動量については逆に小さくなり満期正常出生児に近づく傾向がみられた。これらのことから超・極低出生体重児は満期正常出生児よりも咬合力が弱く,その補完として咀嚼筋が大きく活動し,咀嚼機能については身体的発育よりも早い段階で追いつくことが示唆された。