小児歯科学雑誌
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ニコチンがマウス培養歯胚のBMP分泌に及ぼす影響
王 小競文 玲英楊 富生藥師寺 仁
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キーワード: ニコチン, マウス歯胚, BMP
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2003 年 41 巻 1 号 p. 266-270

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抄録
体外培養したマウス臼歯歯胚のBMP分泌に及ぼすニコチンの影響を検索する目的で,RPMI-1640半固体培養基法を用いて,胎齢16日のマウスから摘出した臼歯歯胚を培養し,培養歯胚のBMP分泌状況を観察した.実験群のRPMI-1640培地にはニコチン10mg/mlを添加,対照群にはニコチン無添加のRPMI-1640培地を用いた.4日間培養した歯胚を固定後,ABC免疫組織学的方法により,歯胚中のBMPの有無を検索した.その結果,実験群の歯胚ではBMPの染色が弱陽性であったのに対し,対照群の歯胚では,エナメル器および歯乳頭組織中にBMP陽性所見が認められた(P<0.01).以上の所見から,ニコチンは,マウス培養歯胚のBMP分泌を抑制することが確認された.
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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