小児歯科学雑誌
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下顎永久前歯部にみられた双生歯の1例
中山 聡勝木 完司岩崎 浩宮沢 裕夫
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2003 年 41 巻 1 号 p. 285-289

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抄録
齲蝕治療を主訴として,松本歯科大学病院小児歯科を受診した日伯混血児の下顎左側中切歯部に,複数過剰歯が癒合して生じたと思われる極めて稀な双生歯を認め,以下の所見を得たので報告する.
1.エックス線所見で,下顎左側中切歯の隣在歯に欠如は認めず,下顎左側中切歯に,萌出している過剰歯と埋伏過剰歯の2本の過剰歯が癒合した双生歯と考えられた.
2.萌出過剰歯と下顎左側中切歯の癒合部は,エナメル質を一部に認める象牙質様組織で一体となっていたが,埋伏過剰歯の接合様式については判明しなかった.
3.下顎左側中切歯相当部の歯冠近遠心幅径は4.67mmで,下顎右側中切歯および日本人男子の平均値と比較して若干小さい幅径であった.また,過剰歯近心側の歯冠近遠心幅径は3.53mm,遠心側の歯冠近遠心幅径は2.96mmであった.
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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