小児歯科学雑誌
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乳幼児歯科健診の齲蝕罹患抑制効果に関する研究
第1報 6歳時における抑制効果について
岡本 安広岡崎 好秀日野 香苗東 知宏山岡 瑞佳堀 雅彦松村 誠士下野 勉
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2003 年 41 巻 3 号 p. 501-505

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抄録

1歳6か月から3歳児歯科健診まで,計4回実施している乳幼児歯科保健事業のうち,2歳・2歳6か月児を対象としている虫歯予防教室の齲蝕抑制効果について調査した.
虫歯予防教室に2回参加した全受診群と1回参加した受診群,参加しなかった非受診群の3歳時と6歳時の齲蝕罹患者率および一人平均df歯数について比較した.
1.各群の1歳6か月時の齲蝕罹患者率および一人平均df歯数には,差を認めなかった.
2.3歳時の齲蝕罹患者率は,非受診群では60.6%,全受診群では42.4%であり両者間には差が認められた.(X2検定 p<0.001)
3.3歳時の一人平均df歯数は,非受診群では3.47歯,全受診群2.03歯であり,両者間には差が認められた.(t検定 p<0.001)
4.6歳時の齲蝕罹患者率は,非受診群では88.4%,全受診群では77.6%であり,両者間には差が認められた.(X2検定 p<0.001)
5.6歳時の一人平均df歯数は,非受診群では7.42歯,全受診群5.54歯であり,両者間には差が認められた.(t検定 p<0.001)
以上の結果より,乳幼児歯科健診事業をすべて受診している小児は,6歳時においても齲蝕罹患の抑制効果が認められた.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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