小児歯科学雑誌
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All-in-one adhesiveの小窩裂溝填塞材への応用に関する研究
堀 稔
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2004 年 42 巻 5 号 p. 653-660

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抄録

近年,接着性レジンシステムのエッチング,プライミング,ボンディングの操作を簡便に一度に行えるall-in-one adhesiveの研究開発が盛んである。これらの材料を小窩裂溝填塞材(シーラント)として使用する可能性を検討するため研究を行った。その結果,all-in-one adhesiveのエナメル質に対する接着力はシーラント材の接着力と有意差はなく,齲蝕予防効果に必要なフッ素の徐放と取り込みの機能が付与されていた。これらの材料は酸性モノマーを含有するため,細胞毒性試験では未重合モノマーの細胞培養液中への溶出によりpHの低下を示し,細胞毒性がわずかに発現した。xeno CF II Bond と AQ Bond plusの細胞毒性が強かった。all-in-one adhesiveは十分なエナメル質接着力を示し,小窩裂溝に侵入し,操作が簡便であるためシーラント材として応用が可能である。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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