小児歯科学雑誌
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小児の上唇小帯の付着位置が口唇閉鎖に及ぼす影響
佐橋 喜志夫近藤 俊
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2004 年 42 巻 5 号 p. 661-667

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抄録

上唇小帯の付着位置は口唇閉鎖に影響を及ぼすことが推察されるが,未だその詳細は明らかにされていない。本研究では4歳1か月から18歳9か月までの259名(男119名,女140名)を年齢別に5群に分類し,口唇閉鎖力,上下の口唇圧および上下口唇圧比を口唇運動の指標として,上唇小帯の付着部位との関連を調べた。その結果,
1.5群すべてにおいて,上唇小帯の付着位置と口唇閉鎖力との間に有意な正の相関関係を認めた。
2.5群すべてにおいて,上唇小帯の付着位置と上下の口唇圧との間にいずれにも有意な相関関係を認めなかったが,上下口唇圧比との間に有意な正の相関関係を認めた。
3.さらに,上唇小帯の付着位置と有意な相関関係を認めた口唇閉鎖力や上下口唇圧比の相関係数はいずれの群間においても有意差を認めなかった。以上のことから,小児の上唇小帯の付着位置が高位であると口唇閉鎖機能は低下することが示唆された。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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