小児歯科学雑誌
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フッ化物配合キシリトールガムの再石灰化促進効果
三上 俊成
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2005 年 43 巻 1 号 p. 1-11

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抄録

キシリトールを配合したガムを噛むことは,齲蝕感受性が高く,また上手に歯磨きを行えない小児に対して推奨できる齲蝕予防法であると考えられる.このガムにフッ化物を配合して歯質の脱灰を抑制しその再石灰化を促進するには,低濃度で安全なフッ化物配合量での再石灰化促進効果を調べる必要がある.本研究では10%キシリトール溶液に低濃度フッ化物を段階的に添加した場合のヒトエナメル質再石灰化促進効果についてCMR法を用いて検討し,さらに試作したフッ化物配合キシリトールガムの再石灰化促進効果を,市販の再石灰化促進物質配合キシリトールガムとin vitro試験およびin vivo試験で比較した.その結果,10%キシリトールと0.4PPm以下のフッ素を添加した再石灰化液では対照(0PPm F)に対して再石灰化率の増加に有意差がみられなかったが,0.8ppm以上では再石灰化率の増加に高い有意差が認められた.再石灰化促進効果がフッ素濃度0.4ppmと0.8ppmの問で大きく変化したことは,フッ素濃度が低い場合にはキシリトールが抑制的に働く可能性を示唆していた.フッ化物を配合した試作ガム(2μgF/枚)は,in vitro試験では2種類の市販ガムの中間の再石灰化効果を示し,ヒト口腔内では効果が低い方のガムと同程度であった.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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