小児歯科学雑誌
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43 巻 , 1 号
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  • 三上 俊成
    2005 年 43 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    キシリトールを配合したガムを噛むことは,齲蝕感受性が高く,また上手に歯磨きを行えない小児に対して推奨できる齲蝕予防法であると考えられる.このガムにフッ化物を配合して歯質の脱灰を抑制しその再石灰化を促進するには,低濃度で安全なフッ化物配合量での再石灰化促進効果を調べる必要がある.本研究では10%キシリトール溶液に低濃度フッ化物を段階的に添加した場合のヒトエナメル質再石灰化促進効果についてCMR法を用いて検討し,さらに試作したフッ化物配合キシリトールガムの再石灰化促進効果を,市販の再石灰化促進物質配合キシリトールガムとin vitro試験およびin vivo試験で比較した.その結果,10%キシリトールと0.4PPm以下のフッ素を添加した再石灰化液では対照(0PPm F)に対して再石灰化率の増加に有意差がみられなかったが,0.8ppm以上では再石灰化率の増加に高い有意差が認められた.再石灰化促進効果がフッ素濃度0.4ppmと0.8ppmの問で大きく変化したことは,フッ素濃度が低い場合にはキシリトールが抑制的に働く可能性を示唆していた.フッ化物を配合した試作ガム(2μgF/枚)は,in vitro試験では2種類の市販ガムの中間の再石灰化効果を示し,ヒト口腔内では効果が低い方のガムと同程度であった.
  • 謝 雪峻, 野坂 久美子, 濤岡 暁子, 馮 新顔, 駿河 由利子, 野坂 洋一郎
    2005 年 43 巻 1 号 p. 12-27
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    日本人と中国人小児の乳歯列石膏模型を用いて,乳臼歯の歯冠形質を数量化して比較した結果,次の結論を得た.
    1.上顎第一乳臼歯に関して,中国人男児では日本人男児よりも,頬側咬頭ならびに頬舌径が大きいが,女児では,逆に,中国人で舌側咬頭が小さく,頬舌径に差を認めなかった.また,解剖学的咬合面は男女ともに,中国人で小さく,歯冠外形に対する解剖学的咬合面の割合も有意に小さかった.さらに,女児では,咬頭間距離も小さかった.
    2.上顎第二乳臼歯について,男児では,解剖学的咬合面と近心咬頭間距離,歯冠外形に対する解剖学的咬合面の割合が日本人よりも中国人の方が有意に小さかったが,中国人女児では,測定項目のほとんどで日本人女児よりも有意に小さく,中国人女児では,歯冠全体の倭小化が強いものと考えられた.
    3.下顎第一乳臼歯では,咬頭間距離の近遠心間の差が中国人で小さく,近心舌側咬頭占有比が小さいことから,舌側溝の近心偏位が考えられ,+型の咬合面溝の増加が類推された.
    4.下顎第二乳臼歯では,男女ともに,遠心に位置する咬頭が中国人で有意に小さく,遠心咬頭はとくに,近心頬側咬頭に対する割合が小さかった.以上から,乳臼歯の形質は,中国人の方が日本人よりも退化傾向が強く,とくに女児で著しいものと考えられた.
  • 園本 美惠, 白數 慎也, 石川 春美, 嘉藤 幹夫, 大東 道治, 王 小競, 邢 向輝, 楊 富生
    2005 年 43 巻 1 号 p. 28-34
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    中国と日本における小児の歯の外傷について相違を知るため,今回は2003年11月-2004年8月に大阪歯科大学附属病院小児歯科(以下大歯大と略す)に歯の外傷を主訴に来院した患児(43名,89歯)および中国西安市第四軍医大学口腔医学院児童口腔科(以下四軍大と略す)に歯の外傷を主訴に来院した患児(68名,101歯)について調査し,分析を行った.
    1.年齢分布は両者とも1-2歳と8-9歳にピークがみられた.大歯大では男女ともに1-2歳の低年齢児の割合が多く,四軍大では男女とも8-10歳が多かった.また,男女比は大歯大1.87:1,四軍大1.92:1で,両者とも男児の方が多かった.
    2.受傷場所は,大歯大では屋内が多く,四軍大では屋外が多くみられた.
    3.受傷原因は,両者とも転倒が最も多かった.
    4.受傷曜日は,大歯大では日曜日が最も多く,月曜日と土曜日が最も少なかった.四軍大では火曜日が最も多く,月曜日と水曜日が最も少なかった.
    5.受傷日から1週間以内に来院した症例は両者とも70%を超えていた.
    6.受傷部位は両者とも,乳歯,永久歯ともに上顎前歯部が最も多かった.
    7.受傷分類は,乳歯では,両者ともにClass C3が最も多くみられたが,四軍大では,Class A2も比較的多くみられた.永久歯では,大歯大ではClass5が最も多かったのに対して,四軍大ではClass1が最も多くみられた.
  • 三好 克実, 上江洲 香實, 松永 利恵, 諸星 弘世, 前田 隆秀
    2005 年 43 巻 1 号 p. 35-40
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    顎関節症あるいは顎運動異常を伴う小児の顎運動の特徴を究明することは,低年齢期において顎関節症の予測,あるいは治癒過程の評価などに有用である.
    3次元顎運動解析装置を用いて顎運動を解析する際,両側の平均的顆頭点が使われるが,運動軌跡から求めた顆頭点との関係が明らかにされていない.
    そこで,平均的顆頭点を中心に1mm間隔で80mm*80mmの範囲の任意点(合計6400点)の中から閉口時から最大開口時に至る顎運動路が最小距離となる1点を3次元顎運動から求めた顆頭点(運動中心点)とし,運動中心点の位置と平均的顆頭点との位置関係を測定したところ以下の知見を得た.
    従来の顎運動解析に多く用いられてきた平均的顆頭点でなく,中心軸の基盤となる運動中心点を求めた.顎関節症児において関節円板転位側と非転位側の運動中心点の位置は異なり,非復位側の運動中心点は平均的顆頭点から大きく変位していることが明らかになると同時に運動中心点が基となる中心軸によって関節頭の微細な運動が評価できることが示唆された.
  • 福山 可奈子, 緒方 哲朗, 水上 あかね, 立野 麗子, 福本 敏, 野中 和明
    2005 年 43 巻 1 号 p. 41-46
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    障害児の口腔衛生管理において,家庭での歯磨き習慣の確立やかかりつけ歯科医を持つことによる予防が重要である.著者らは17年前から,福岡市の心身障害児通園施設において通園児とその保護者を対象に,1年に2回の口腔保健指導を続けている.口腔保健指導の内容は,口腔内診査,カウンセリングおよび歯磨き指導である.指導の基本方針は,家庭での歯磨きの習慣の確立とかかりつけ歯科医を持つことの2点である.今回著者らの口腔保健指導が定着し,卒園後も家庭での歯磨きを継続できているかなどを知るために,アンケートによる追跡調査を行った.通園中に口腔保健指導を受け,卒園後3年以内の144名の小児の保護者を対象に,家庭での歯磨き習慣の有無,歯磨きに対する小児の協力度,かかりつけ歯科医の有無について質問した.その結果,回収率は80名(55.6%)であった.現在毎日歯磨きしていると答えた人は86%で,通園時の割合と同じであった.また歯磨き時の協力度は,改善されている傾向にあった.現在かかりつけ歯科医がいると答えた人は81%であり,通園時の57%より増加していた.今回の結果より,卒園後も歯磨き習慣が定着し,かかりつけ歯科医を持つ人が増えていることから口腔保健指導の意義を明らかにできた.
  • 両川 明子, 齋藤 亮, 浅川 剛吉, 松本 弘紀, 武藤 梨奈, 田中 光郎
    2005 年 43 巻 1 号 p. 47-52
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    小児の歯科治療時に笑気吸入鎮静法を用いることにより,術中の協力状態と次回来院時における協力状態への影響を検討するために,本法下での歯科治療時および次回来院時の小児の協力状態を外部行動によって評価した.また,本法下にて歯科治療を行った小児とその保護者を対象にアンケートを行い,本法に対する感想と意見を調査した.
    小児の外部行動の変化における,術中の笑気吸入鎮静法の効果は増齢に伴い増加する傾向を示した.また,低年齢児にも有効に使用できる場合があった.さらに,術中の笑気吸入鎮静法で効果があったと判断された小児は次回来院時に外部行動の変化がみられ,以前より協力状態が改善した.アンケートでは,笑気吸入鎮静法を使用してよかったという回答に比べ,再び使用したいという回答がやや少なく保護者の本法使用への不安感が反映しているものと思われた.本法の一般の認知度は低く,その安全性や快適性が充分浸透しているとは言いがたい状況であることから,使用に当たっては充分に説明を行い,インフォームドコンセントを得る必要がある.また,社会における認知度を向上させるための方策も合わせて進める必要があると思われた.
  • 小野 義晃, 鈴木 昭, 南 真紀, 筋野 暢允, 白 正華, 中川 貴美子, 角田 智也, 掛川 達彦, 波部 剛, 岡本 三千代, 小松 ...
    2005 年 43 巻 1 号 p. 53-57
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    乳歯列期より口腔管理を行っている小児54名(Aグループ),混合歯列期から管理を始めた小児46名(Bグループ)について,幼若第一大臼歯に対して光硬化型グラスアイオノマーセメント(FujiIIILC®)による小窩裂溝填塞を簡易防湿下で行い,その臨床成績を調査した.その結果,Aグループの齲蝕抑制率は填塞後4年6か月で98.1%,Bグループは填塞後5年5か月で98.3%と高率であった.小窩裂溝填塞を行い,齲蝕抑制率を高レベルに維持するためには,定期的な健診を行い,再填塞を行いながら口腔管理を継続していくことが重要であることが示唆された.また本材料による小窩裂溝填塞を行う際には,簡易防湿にて行っても臨床成績に,大きな問題のないことが示された.
  • 水野 恭子, 後藤田 宏也, 田口 千恵子, 小林 清吾, 橋爪 智美, 前田 隆秀, 福島 和雄
    2005 年 43 巻 1 号 p. 58-64
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    大学生および学童由来のブラッシング歯垢を検体としてポリクローナル抗体使用のS .mutans迅速測定キット(トクヤマデンタル社製キット,以下TDキット)の有用性試験を行った.本学部学生84名および小学6年生20名からの歯垢試料において,TDキットによる評価レベルとスパイラル培養法により算出したS.mutans菌数との間に強い正の相関が認められた.両検体におけるスピァマンの順位相関係数はそれぞれ0.86(p<0.001),0.89(p<0.001)であった.また,スクリーニング基準を5×105CFU/ml及び0/1間とした時のTDキットの敏感度は0 .98,特異度は0.95,一致率は92%,kappa値は0 .90であった.
    これらより,ブラッシング歯垢を用いたTDキット測定系は,刺激唾液を用いた測定系よりも診断精度が高く,チェアサイドにおける齲蝕リスク診断に極めて有用な手法であることが示唆された.
  • 坪倉 亜希子, 金子 かおり, 辻野 啓一郎, 望月 清志, 大多和 由美, 藥師寺 仁
    2005 年 43 巻 1 号 p. 65-71
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    小児の口腔外傷は,患児の歯列および顎顔面の成長発育に影響を及ぼす.近年,生活環境の複雑化に伴い,口腔外傷を主訴に小児歯科臨床を訪れる患児は増加傾向を示している.
    今回,平成12年4月からの3年3か月間に,口腔外傷を主訴として東京歯科大学水道橋病院小児歯科に来院した患児(乳歯173歯,永久歯113歯,軟組織損傷34例)を対象に,受傷内容別患者数,性別,受傷部位,受傷原因,受傷後経過時間,受傷年齢,受傷状態,処置内容,軟組織受傷部位および処置内容の調査を行い,以下の結論を得た.
    1.受傷患者の性別は,乳歯で3:2,永久歯で2.5:1と男児に多く認められた.
    2.受傷部位は,乳歯で約7割が上顎乳中切歯で認められ,永久歯でも約8割が上顎中切歯に認められた.
    3.受傷原因は,乳歯,永久歯ともに5割以上が転倒で最も多かった.
    4.受傷後経過時間は,乳歯では受傷当日の来院が少なく,永久歯では受傷当日の来院が多かった.
    5.受傷状態は,乳歯では動揺が最も多かった.永久歯では,約6割で歯冠破折を認めた.
    6.処置内容は,乳歯,永久歯ともに経過観察あるいは洗浄が最も多かった.
    7.軟組織損傷に関しては,歯齦が最も多く,処置内容は洗浄のみが約8割と大半を占めていた.
  • 韓 娟, 清水 武彦, 清水 邦彦, 松永 利恵, 前田 隆秀
    2005 年 43 巻 1 号 p. 72-78
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    A/WySn系統マウスにおけるコルチゾン投与による唇顎口蓋裂の発症が常染色体劣性遺伝性であることを著者らは過去に報告している.本研究の目的は,コルチゾン投与によるA/WySn系統マウス唇顎口蓋裂発症に関与する遣伝子が存在する候補染色体を検出することである.唇顎口蓋裂を発現するA/WySn系統と唇顎口蓋裂を発現しないC3H/He系統間で遺伝学的な交配より得られたN2マウス胎仔1031匹から37匹の唇顎口蓋裂を有するマウス胎仔を用意した.A/WySn系統とC3H/He系統間で多型を有する常染色体上に配置した82個のMitマーカーを用い,遺伝子型の判定によるインターバルマッピングを行った.結果はマウス染色体11番上のD 11 Mit 298 ,D 11 Mit 145,D 11 Mit 10およびD 11 Mit 104と,14番上のD 14 Mit113,D 14 Mit 34において有意にAホモ接合体の高い遺伝子型比が得られた.このことよりコルチゾン投与によりA/WySn系統マウス唇顎口蓋裂を発症する感受性遺伝子がマウス染色体11番と14番に存在することが示唆された.
  • 工藤 みふね, 高橋 昌司, 五十川 伸崇, 佐藤 智子, 矢野 直人, 石川 雅章, 高木 裕三
    2005 年 43 巻 1 号 p. 79-84
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    嚥下時舌突出癖に伴い開咬や上下顎切歯の著しい唇側傾斜を有する小児(以下,開咬児とする)では,本来歯茎音である/s/や/t/の調音時,舌端の位置が歯間音でのそれに近づいていることが予想されるが,音声学的な検討は少ない.今回,開咬児の歯茎音の音声波形からフォルマント周波数を抽出し,臨床的正常咬合を有する小児(以下,正常咬合児とする)のそれと比較し,先に述べた仮説の音声音響学的な証明を試みた.
    3歳以上15歳以下の正常咬合児および開咬児に,無声歯茎摩擦音/s/を含む短い文章「花が咲いた」を発音してもらい収録した.その音響学的分析を,無声歯茎摩擦音/s/における第1,2フォルマント周波数(以下,F1,F2)に着目して行い,正常咬合児と開咬児を比較した.その結果,正常咬合児に比較して開咬児は,F1,F2ともに有意に高くなった.また,正常咬合児と開咬児を合わせると,歯茎音が歯間音化するに従い摩擦音が接近音化した.
    今回,開咬児のF1,F2が正常咬合児のそれと比較して共に高いことから,調音時の開咬児の舌端が正常咬合児での歯茎との距離よりも少し離れて,摩擦音から接近音でのそれに近づく傾向にあること,また,舌端が声道の解放端に近くなり歯茎音から歯間音でのそれに近づいていることが示唆された.
  • 高橋 昌己, 中山 光子, 松野 昌展, 五十嵐 由里子, 佐々木 佳世子, 佐竹 隆, 金澤 英作
    2005 年 43 巻 1 号 p. 85-93
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    近年,日本人若年層では,歯のサイズが増大しているという報告がある.また,日本人ではこれまで,永久歯の中で下顎第一大臼歯がもっとも早く萌出するといわれていたが,最近,下顎中切歯が下顎第一大臼歯より先に萌出する傾向があるとする報告がある.そこで本研究は,現代における松戸市立古ヶ崎小学校(1997-2002年)児童90名から採取した歯列石膏模型を用いて歯のサイズや萌出状況の調査を行い,その結果を昭和50年代における伊東市立旭小学校(1975-1981年)の児童135名と比較し,年代の違いによる歯のサイズの変化と萌出順序を検討した.その結果,歯のサイズは,歯冠近遠心径では,古ヶ崎小が旭小より大きい傾向があった.萌出確認年齢による比較では,古ヶ崎小が旭小より萌出が遅い傾向にあった.
    両集団の歯のサイズの増大は,栄養摂取状態の改善,特に1970年代から1990年代にかけての脂質の摂取量の増大に伴う体格の変化と同調していた.古ヶ崎小の歯の萌出の遅れは歯のサイズの増大と関連していた.最初に萌出する永久歯は旭小男児で下顎第一大臼歯(女児は中切歯と同時),古ヶ崎小では,男女とも下顎中切歯であった.約20年を隔てたこの2つの小学校での調査の間に萌出順序の逆転が起こった.
  • 関口 浩, 福山 達郎, 原田 朋子, 宮里 裕美, 原 麻子, 藥師寺 仁
    2005 年 43 巻 1 号 p. 94-98
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    核家族化の進行,母親の就業の増加,さらに学校週5日制の導入は,子ども達の生活に変化を来たしている.それに伴い,小児歯科に来院する患者の診療予約時間の要望についても変化が生じている.そこで,今回,患者および保護者が希望する診療予約曜日および時間について調査を行った.その結果,予約を希望する曜日については,どの学齢の小児においても,平日よりも土曜日を希望する者の数が多かった.これは園や学校を休ませたくない,塾に通っているためとする理由に加えて,学校週5日制の導入によって土曜日が休日になり,学業に支障を来さない土曜日に通院したいとする患者および保護者の希望が強くなったためと思われる.
    今後は,患者・保護者の希望する曜日,時間帯を考慮した予約体制を検討して行く必要があると思われた.また,土曜日の診療時間の変更などの見直しが必要であると考える.
  • 生田 真美, 守安 克也, 高見澤 さち代, 高見澤 豊, 川口 浩司, 瀬戸 皖一, 朝田 芳信
    2005 年 43 巻 1 号 p. 99-106
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    小児における前歯部開咬は口腔習癖に起因するものが多いが,舌の腫瘤や肥大も開咬の一因として挙げられる.今回,前歯部開咬および流誕を主訴として来院した患児に舌血管腫が認められた症例を経験したので報告する.
    患児は5歳4か月の男児で,舌,下唇,および左側頬部に腫脹が認められた.MRI検査および病理組織学検査により患児の舌の左半側を越える範囲,そして咬筋や内側翼突筋周囲および耳下腺部に血管腫が多発性に存在していることが確認された.咬合状態はover bite-6.50mm,over jet 120mmと著しい開咬を示していた.歯列弓長径および幅径は上下顎ともに基準値よりも大きく,歯列の全ての部位に歯間空隙が存在し,巨大な舌による影響が疑われた.
    前歯部開咬および流涎を改善させる目的で,本学口腔外科と連携しステロイド療法を5歳7か月時より開始した.5歳9か月時には全身麻酔下にて電気メスを用いて舌および下唇の血管腫の外科的減量術を行った.小児歯科においてプラークコントロールと口腔保健の増進を含めた口腔管理を行った.血管腫の縮小に伴い,前歯部開咬の改善傾向が認められた.6歳6か月時には,over bite -2.60mm,over jet 2.40mmであり,over bite は3.90mmの増加,over jet は1.20mmの増加が認められた.
    本症例は,口腔外科とのチームアプローチにより,ステロイド療法や血管腫の外科的減量術を施行し,血管腫の縮小がみられ,それに伴い前歯部開咬が改善された.
  • 松根 健介, 宇治川 玲子, 三好 克実, 松永 利恵, 鈴木 久仁博, 前田 隆秀
    2005 年 43 巻 1 号 p. 107-112
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    エナメル質形成不全症は歯の形成,発育の途上でエナメル質の発育が妨げられた結果発症した歯の構造の異常である.全身的異常は認められずエナメル質に限局した障害が発現するものである.今回,エナメル質形成不全症の患児に発現した過剰歯を摘出する機会を得た.その臨床的およびエックス線的所見,ならびに抜去歯の走査型電子顕微鏡におけるエナメル質表面性状について検討したところ,以下のような知見を得た.
    1.特発性に発症したエナメル質形成不全症であった.
    2.エナメル質形成不全症における過剰歯の発現は稀有であった.
    3.患児のエナメル質は形成不全を受けているが,乳歯および永久歯と摘出過剰歯の色調には明らかな違いを認めた.
    4,摘出過剰歯のエナメル質表面は,凹凸の激しい粗造感を呈しており,健常児におけるエナメル質表面とは明らかな違いを認めた.
  • 佐橋 喜志夫, 近藤 俊, 石原 摩美, 今泉 三枝, 真部 滋記
    2005 年 43 巻 1 号 p. 113-121
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    混合歯列期の開咬の治療には機能的改善を目的とした装置などが多く使用されている.しかし,開咬は歯列弓形態の異常を認めることから,これを改善する方法も考えられる.そこで,上顎に可撤式床拡大装置を用いて側方歯列を緩除拡大した混合歯列期の歯槽性開咬の1治験例において資料の分析を行った結果,以下の治癒機転が明らかとなった.なお,症例の資料は治療前が6歳8か月,治療後が8歳10か月,経過観察後が10歳7か月のそれぞれの顔面および口腔内写真,マウント歯列模型,正面,側面および軸位頭部エックス線規格写真と下顎安静位の咬筋および側頭筋の筋活動を用いた.
    1.上下顎の歯列弓長径はともにわずかに減少していた.しかし,上下顎の歯列弓幅は拡大し,前歯部の配列余地が確保されていた.同時に,上下顎前歯は治療前,治療後,経過観察後の順に従い,それぞれ挺出と舌側移動していた.これは治療前から治療後において下顎が顕著であった.
    2.側貌軟組織の垂直的バランスは治療前,治療後,経過観察後の順に相対的に上口唇高が短縮していた.さらに,水平的位置関係は治療前から治療後に上唇が後退し下唇が前突していた.
    3.下顎位は治療前から治療後へと後下方に位置し,治療後と経過観察後でほぼ一致していた.これに相同して下顎安静位での咬筋の筋活動は治療前から治療後に低下し,治療後と経過観察後の差がわずかであった.側頭筋の筋活動は治療後から経過観察後に低下していた.
  • 2005 年 43 巻 1 号 p. 122-173
    発行日: 2005年
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
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