小児歯科学雑誌
Online ISSN : 2186-5078
Print ISSN : 0583-1199
ISSN-L : 0583-1199
歯冠形質の数量化による日本人と中国人乳臼歯の比較検討
謝 雪峻野坂 久美子濤岡 暁子馮 新顔駿河 由利子野坂 洋一郎
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 43 巻 1 号 p. 12-27

詳細
抄録

日本人と中国人小児の乳歯列石膏模型を用いて,乳臼歯の歯冠形質を数量化して比較した結果,次の結論を得た.
1.上顎第一乳臼歯に関して,中国人男児では日本人男児よりも,頬側咬頭ならびに頬舌径が大きいが,女児では,逆に,中国人で舌側咬頭が小さく,頬舌径に差を認めなかった.また,解剖学的咬合面は男女ともに,中国人で小さく,歯冠外形に対する解剖学的咬合面の割合も有意に小さかった.さらに,女児では,咬頭間距離も小さかった.
2.上顎第二乳臼歯について,男児では,解剖学的咬合面と近心咬頭間距離,歯冠外形に対する解剖学的咬合面の割合が日本人よりも中国人の方が有意に小さかったが,中国人女児では,測定項目のほとんどで日本人女児よりも有意に小さく,中国人女児では,歯冠全体の倭小化が強いものと考えられた.
3.下顎第一乳臼歯では,咬頭間距離の近遠心間の差が中国人で小さく,近心舌側咬頭占有比が小さいことから,舌側溝の近心偏位が考えられ,+型の咬合面溝の増加が類推された.
4.下顎第二乳臼歯では,男女ともに,遠心に位置する咬頭が中国人で有意に小さく,遠心咬頭はとくに,近心頬側咬頭に対する割合が小さかった.以上から,乳臼歯の形質は,中国人の方が日本人よりも退化傾向が強く,とくに女児で著しいものと考えられた.

著者関連情報
© 一般社団法人 日本小児歯科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top