抄録
正常咬合を有する小児の顎顔面の前後径に対する上下顎第一大臼歯の増齢に伴う位置を知ることは,小児歯科臨床を行う上で重要である。研究資料としては,カナダ白人小児の側面頭部エックス線規格写真ならびに口腔模型を基準に,6, 9, 12, 16歳の縦断資料から16歳時において正常咬合と診断した小児の側面頭部エックス線規格写真を用いた。6, 9, 12, 16歳時のS-N距離,PNS-ANS距離に対する上顎第一大臼歯の位置,ならびにG-Me距離に対する下顎第一大臼歯の位置の成長変化をそれぞれ求めたところ,男女間での増齢的な顎顔面ならびに第一大臼歯の成長パターンに違いがあるが,男女とも各年齢時において顎顔面に対する上下顎第一大臼歯の位置の範囲を知ることができ,日常臨床において第一大臼歯の遠心移動あるいは近心移動を行う際の移動量を検討する一助となるものと思われた。