小児歯科学雑誌
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歯科用小照射野エックス線CT(3DX)用三次元データ構築ソフトウエアの開発
木嶋 直人菊池 元宏関 信幸黒木 洋祐那須 大介由井 公貴柴崎 貞二本田 和也中島 一郎
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キーワード: 3DX, CT, 三次元
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2006 年 44 巻 3 号 p. 364-370

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抄録

歯科用小照射野エックス線CT(3DX)は歯科界にCTによる三次元的解析をもたらした画期的な装置であるが,この装置から得られる情報は二次元的な断層撮影情報であり,直接的な三次元データを得ることはできない。そこで著者らは3DXからの情報を変換し,被写体の三次元的な汎用データの構築を可能としたアプリケーションソフトウエアを開発し,測定用キューブ大(約20mm四方),測定用キューブ小(約10mm四方),を用いてその精度を測定したところ,以下の結果を得た。
1.全ての軸方向において実際の長さと本アプリケーションソフトウエアにより算出された長さに有意な差は認められなかった。また,その誤差は0.25mm以内であった。
2.測定用キューブの大きさによる誤差に有意な差は認められなかった。
以上の結果から,本アプリケーションソフトウエアは3DXからの情報を精度よく三次元データに変換することが可能であることが明らかとなった。これにより従来の3DXでは難しかった被写体の三次元的な分析や画像を把握することが可能となり,3DXの有用性をさらに高めるものであることが示唆された。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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