小児歯科学雑誌
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本学小児歯科における臨床体験型基礎実習の取り組み
中野 崇小野 俊朗渥美 信子外山 敬久東 公彦青山 哲也長縄 友一村田 宜彦坂井 志穂土屋 友幸
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2006 年 44 巻 5 号 p. 665-672

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抄録

本学小児歯科では,平成14年度までの模型実習を中心とした1回完結型の実習内容を見直し,平成15年度より,第5学年の学生を対象に,時系列に沿った7課題より構成される臨床体験型教育を行ってきた。また,学習目標の達成度を評価するとともに,今後の基礎実習のありかたを検討することを目的に,学生に対するアンケートを実施した。
実習の改革により,学生の実習参加への積極性が増すとともに,一口腔単位で時系列に沿った実習を行うことができた。面接系実習では,実習前に行動目標を明らかにしたことにより,学生の実習に対する目的意識が高まり,スムーズに医療面接に移行することができた。また,実技系実習においても,早く終えるための作業となりがちであった模型実習が,一つ一つの手順を考えながら参加できていた。アンケート結果からは以下の結論を得た。
1.学習目標を理解できた者と,ほぼできた者は全体の9割以上を占め,多くの学生がこれから行うことを理解して実習を行っていた。
2.学習目標を達成できた者と,ほぼできた者は全体の9割以上を占めたが,教員による評価との整合性は低く,学習後の評価およびフィードバックが重要と考えられた。
3.患者心理を意識した実習においては,多くはできたと答えたものの,あまりできなかったと答えた者も1割認められ,学生の学習意欲を刺激し,さらにそれを持続させるような教育方法について再検討を要すると思われた。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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