小児歯科学雑誌
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嚥下時における口蓋への舌圧接状態についての検討
第2報食品間の違い
西田 宜弘中原 弘美齋藤 尚則長谷川 信乃田村 康夫
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キーワード: 舌運動, 筋電図, 舌癖, 圧センサ
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2007 年 45 巻 1 号 p. 1-7

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抄録

本研究は,機能運動時における舌動態の客観的評価法確立の基礎的資料を得ることを目的として,食品による嚥下時の口蓋への舌圧接状態の違いについて検討を行った. 被験者は正常嚥下を行っていると判定した成人7名を用い,舌圧接状態の記録は小型圧力センサ(共和電業社)を左右中切歯歯間乳頭部(前方),正中線と左右第二小臼歯近心隣接点とを結んだ線との交点(中央)および正中線と左右第二大臼歯近心隣接点とを結んだ線との交点(後方)の3か所に埋入した口蓋床を用いた. また同時に口腔周囲筋筋活動を導出した. 嚥下開始は喉頭の前上方への上昇開始で判定し,舌圧接状態の変化を検討した.
嚥下時の舌圧接パターンには二峰性と一峰性がみられ,第1ピークは食塊の移送のための舌の前方から後方への圧接の移動と関係し,第2ピークおよび一峰性は舌全体を口蓋に圧接して嚥下していることが考えられた.さらに食品によって舌圧接力,舌圧接持続時間に変化が認められ,口蓋への舌圧接状態や口腔周囲筋筋活動を変化させ各食品に対応していることが明らかとなった.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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