小児歯科学雑誌
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小児の歯科恐怖に関する研究 -保護者回答用日本語版CFSS-DSの有用性と低年齢児の歯科恐怖の実態-
森 裕佳子
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2008 年 46 巻 1 号 p. 1-12

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抄録

歯科恐怖は集団の疾病構造や医療サービスの質を反映すると言われており,日本人小児の歯科恐怖の実態を調査しその予防に努めることは日本の医療レベルの向上に有効であると考えられる。本研究では3~8歳の低年齢児を対象に,国際的に認知度が高く広く応用されているDental Subscale of Children's Fear Survey Schedule(CFSS-DS)を用い,保護者回答用日本語版CFSS-DSに改変し,その信頼性・妥当性の検証を行った。また恐怖レベルのカットオフ値をROC曲線を用いて算出した。さらに一般集団を対象に疫学的調査を行い,ロジスティック回帰分析により歯科恐怖の実態と誘因について検討した。また臨床集団に対する調査から齲蝕・処置経験と歯科恐怖の関係について検討した結果,以下の結論を得た。
1.保護者回答用日本語版CFSS-DSは高い信頼性と妥当性を示した。また日本人低年齢児の恐怖レベルのカットオフ値は33点であった。
2.一般集団と臨床集団のCFSS-DS平均点に差を認めなかった(32.1±11.2点vs32.0±11.6点)。
3.日本人小児の歯科恐怖度は他国と比較して高かった。また歯科恐怖度に男女差を認めなかった。
4.「親の歯科恐怖度が高い」,「5歳以下」,「齲蝕処置経験がない」,「回答時歯科受診していない」,「局所麻酔経験がない」という因子でHigh Fearになりやすかった。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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